5S活動、実践していますか? (“ドS”じゃないですよ!?)
製造現場に限らず、広くオフィス環境を整えて、業務効率化を進めるために意識すべき、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」5要素の頭文字Sからとった標語です。散らかった仕事場では、仕事もはかどりませんもんね。
それは、情報爆発がおきているパソコンやWebでも同じことで、ネット上にちらばる貴重な情報、ニセ情報を見分け、整理・整頓することが、仕事をスピードアップする上で、大切なプロセスとなります。 今回は、情報の整理・整頓にとても便利な、HYPERLINK関数活用法について解説します。
改めて「ハイパーリンク」とはなにかを確認
Webサイトで、無意識のうちにリンクをポチッ、ポチッとクリックして、ホッピングするのがあたり前になっているので、「ハイパーリンク」とは何か?を意識する機会は少ないでしょう。その意味を、確認しておきます。
国語辞典(デジタル大辞泉)から引用しますと、
「インターネットのウェブページをはじめ、コンピューターを利用した文書システム(ハイパーテキスト)において、関連付けられた他の文章や画像を参照できるように、その所在を示した情報または文字列。リンク。」
とあります。つまり、今開いているページや文書以外のところにある情報資源を参照することをさすのです。Excelでも、セルにWeb URLをコピペ(コピー&ペースト)したら、自動的にアンダーライン付き青文字に変化した経験はありませんか?
(自動的にハイパーリンク化されなければ、URLの入ったセル上でダブルクリック、もしくはF2キーを押します。ハイパーリンクを解除したければ、セル上で右クリックし、[ハイパーリンクの解除(R)]を選択します。)
このように、自動で設定できることが多いハイパーリンク、もっと能動的に整理・整頓すると、仕事が劇的にはかどるmyデータベースになるんですよ。それを可能にするのがHYPERLINK関数です。
HYPERLINK関数でできること
自動でもできるのに、わざわざ関数を使用することには、意味があります。ExcelのHYPERLINK関数では、
(1)Web URLへのリンク
以外にも、
(2)同一シート内の別セル
(3)同一ファイル・別シートのセル
(4)別ファイル
(5)メールアドレスにもとづき、パソコン内の標準メールソフト
へ、それぞれハイパーリンクをはることができるのです。つまり、Excel内全般の「あの情報、どこだったかな〜???」に答えてくれる、便利屋さん関数なのです。
基本的な構文は次の通りで、[別名]は省略可能です。
=HYPERLINK(リンク先, [別名])
ちなみに、1つのExcelブック上で、5種ハイパーリンクを作成してみると、以下のようなリンク集となります。
省略可能な[別名]こそ、HYPERLINK関数を使う最大のメリット
先ほど、HYPERLINK関数の2番目の引数[別名]は、省略可能だとご説明しました。しかし、これからは、できる限り[別名]を省略せず、フルに活用してください。[別名]こそが、わざわざ関数を使う最大のメリットですから。
繰り返しますが、ハイパーリンクは「あの情報、どこだったかな〜???」をたすける、書籍の目次のような機能です。
そのため、別人(同僚・取引先や、未来の自分)が見てもすぐ分かる[別名]がついていると、それだけでひじょうに利用価値があがる「調べものリンク集」になるのです。
たとえば、Web上から、自分の部署でよく使うExcel関数解説のリンク集を作って、後輩へ説明しようとする場合、A/Bどちらの資料の方が理解しやすいですか?
<ハイパーリンク集A>
<ハイパーリンク集B>
この比較では、判断にまようことはないですよね。はじめてこの資料を見る人にとって親切なハイパーリンク集はBです。
このように、特定の業務テーマに合わせ、ExcelブックやWebリンクなどをかき集めて資料集とする場合には、目次となるハイパーリンク集に、わかりやすい[別名]をつけておくことで、資料の価値がグッと上がります。
自動生成されたハイパーリンクでも、[右クリック]→[ハイパーリンクの編集…]で表示されるダイアログボックスから[別名]を命名することは可能ですが、複数のリンクに名前をつけるには、関数処理の方が効率的です。
HYPERLINK関数[別名]を活用した資料集(リンク集)をまとめておけば、素材や情報が散らかったパソコン内を整理・整頓するのも、ラクに進められそうな気がしませんか?
ドS上司のカミナリが落ちないうちに、はやめに業務書類の5S活動を終わらせてしまいましょう!
まとめ
自動で作成できるハイパーリンクも、できれば関数で、[別名]つきで整理しましょう
整理・整頓・清掃・清潔・しつけ…
※この文脈での「しつけ」とは、整理・清掃などの”習慣づけ”という意味を持ちます
パソコン内の5S活動は、まず、どこにどんな書類や情報が保管されているかを、自分自身がきちんと把握するところからはじまります。
そして、情報の所在確認をするためには、いちいちエクスプローラーを起動して時間を浪費するのではなく、HYPERLINK関数を使って、リンク集にまとめておきましょう。さらに、そのハイパーリンクを、[別名]でだれでも分かるようにしておけば、未来の自分(=赤の他人)も、すぐに必要な情報へアクセスしなおせます。
しらべ物をした時に、その記録をHYPERLINKとして保存しておく所要時間は数十秒。あとからエクスプローラーなどで検索しなおすのに数分(から数十分)。
一体、いつ整理・整頓をはじめますか? 今でしょ!