最近、勉強してますか?
「そういえば、仕事がいそがしくて、あんまり勉強してないなぁ。ま、いっか」と開き直っている脳天気さんには、ちょっと背筋が寒くなるホラームービー(?)を1本。
ネット民のあいだでも、「日本、終わりじゃん」と話題になったABEMA TV「未来人材ビジョン」。
この動画のどこがホラーなんでしょうか?
それは、番組メインテーマになった経済産業省リポート「未来人材ビジョン」のスライド・タイトルをながめるだけでも、すぐに気づきます。
- 日本企業の従業員エンゲージメントは、世界全体でみて最低水準にある。(33P)
- 「現在の勤務先で働き続けたい」と考える人は少ない。(34P)
- しかし、「転職や起業」の意向を持つ人も少ない。(35P)
- 日本企業の部長の年収は、タイよりも低い。(36P)
- 企業は人に投資せず、個人も学ばない。(40P)
- 日本の人材の競争力は下がっている。(41P)
- 日本の国際競争力は、この30年で1位から31位に落ちた。(49P)
なるほど、やっぱり日本、終わりじゃん…。
とはいえ、沈むタイタニック号の上でぼんやり過ごすのではなく、自分がこの先も生きのこれる人材となる方法は、なにかあるのではないでしょうか?
その1つのヒントが、同じ「未来人材ビジョン」のなかにもかくされています。
上図は、「意識・行動面を含めた仕事に必要な能力等」うつりかわりに関する予測です。
2015年;「注意深さ・ミスがないこと」「責任感・誠実さ」「粘り強さ」etc.
(本当に、これは2015年の職場で求められていたことなんでしょうか?「昭和なカイシャ」で、壁にはり出されやすいテーマのような気もしますが。)
それに対して、2050年の仕事に必要な能力は、「問題発見力」「的確な予測」「革新性」「情報収集」などとなっています。これらのキーワードから予測されることは、
「自分でしっかりモノをかんがえ、調べて、情勢分析できる能力が求められる」
ということでしょう。
2050年を待たずとも、「自分で情勢分析する力」をもつことが、ビジネス・キャリアを積んでいくために重要だ、ということは推測できますね。
仕事に必要な「データ分析」などを無料で学べるサイトが、相次いで立ち上がりました
それでは、「学ばない日本人」という汚名をはらし、キャリアを高めていくためには、何をしたらよいでしょうか。
ひとむかし前であれば、統計解析やプログラミングなどは、大学や専門学校などに入りなおすか、高価な専門教育機関などにたよるのが、いちばんたしかな方法でした。
しかし、官民データ活用推進基本法(2016年)の制定以降、オープンデータがとても充実してきましたので、深い内容の学習教材を、無償で手に入れられるケースもふえています。 たとえば、総務省ICTスキル総合習得プログラムは、「データ収集」「データ蓄積」「データ分析」「オープンデータ・ビッグデータ利活用事例」4コースで構成され、計20講座でICTに関する基礎知識を学ぶことができます。
ためしに「コース3-3 基本統計量・クロス集計表の作成」という講座を開いてみると、教材資料がPDF、PowerPoint形式でリンクされているほか、実習に使用するエクセルファイル(.xlsx)もzip圧縮され公開されています。これらの素材を無償ダウンロードしてくれば、教材を見ながら、エクセル生データをピボットテーブルに仕上げるまでの流れを、自分のPC上で学ぶことができるのです。
さらに、同じく総務省より、2022年10月開講予定の無料オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」受講者募集も、2022年7月12日より開始されました。
これは、これまでにのべ約5万7千人が受講した人気講座をリニューアルし、オンライン配信するものです。
この講座でも、単に動画を聴講するだけでなく、実際にExcel(および統計解析ソフトR)を用いて、各データ分析手法について演習をすることができます。
近年のデータサイエンス動向をふまえ、AI技術や仮説検定に関する講義も追加された約3ヶ月分の講義(+演習+確認テストと最終課題)が、すべて無料!!なのです。
このように、学習素材は近年、とても充実してきました。 そうなると、あと必要なのは、自分自身のモチベーションだけですね。
まとめ
「学ばない日本人」でいますか?
2050年も働けるビジネス人材になりますか?
教材は揃いつつあります。学ぶ時間をつくってみましょう!
このグラフを見るかぎり、日本人ビジネス・パーソンの2人に1人は「仕事以外、なんの勉強もしていない」ということになります。
あなたは、この「勉強しない」半分のグループに落ち着きますか? それとも、2050年まで求められる人材でありつづける努力をしますか?
さいわいにも、個人が大金をつぎこまなくても、高度な技術を身につける方法が、いろいろふえてきました。あとは、自分自身の意識のもち方にかかってきます。
ただでさえ仕事がいそがしい時に、新しいことを学ぶ時間を確保することは大変かもしれません。しかし、その仕事をより洗練されたものとするため、少しまとまった学習時間をもってみませんか? それが、「沈まない2分の1」に残るために大切な糧(かて)となります。