取引先向けの提案資料を作成したり、Web公開されている情報を活用してデータ分析をしたり、様々な場面でネットの活用は必須になっています。
しかし、ネットにある情報の取得を、いまだにコピペ(コピー&ペースト)で済ませていませんか?
1回限りの資料作成ならそれでも良いですが、定期的な業務の場合には、負荷はできる限り下げておきたいものです。
そこで、今回ご紹介するWebクエリなどを活用して、ぜひリアルタイムでの情報更新を試してみてください。
Webクエリって何?
クエリとは;元々「問合せ」の意味で、データベースからデータを抽出するといった処理命令のことです。Webへのクエリですから、インターネット上の情報を活用する時に利用します。
株取引をしている人なら「リアルタイム株価情報」、会社の経営者であれば「ライバル会社の経営指標」など、小まめにチェックしたい情報がWeb上にはあふれています。
ここでは、とある輸入会社の外国為替レート・チェックを例にあげてご説明します。
この会社では、おもに香港とフィリピンから日用品を仕入れて日本国内で販売しています。為替変動が利益に大きく影響を及ぼすので、上記のようなExcel在庫管理表を使って、仕入原価と在庫数を管理しています。
毎日の為替レートについては、三菱UFJリサーチ&コンサルティング社が最新情報を無料でWeb上に公開していますので、その数値を参照することにしています。
( http://www.murc-kawasesouba.jp/fx/index.php )
Excel在庫表の為替レート欄を毎日手入力するのは面倒ですし、ミスにもつながります。この作業を自動化してくれるのがWebクエリなのです。
vlookup関数と併用してWeb上の最新為替レートに自動更新
では実際にリアルタイムの為替レート表をExcelに取り込んでみましょう。
まず、在庫リストのExcelブックに1つ別シート(FX_rateと名付けます)を作成し、[データ]→[Webから]→URLを入れるダイアログボックスが出るので、参照するwebサイトのURL( http://www.murc-kawasesouba.jp/fx/index.php )を入力します。
※[Webから]コマンドはoffice 365版とデスクトップ版Excel2019のみ。Excel 2016,2013には[Webクエリ]コマンドがあります。[Webから]コマンドが無い場合には、[データ]→[外部データの取り込み]→[Webクエリの実行…]
抽出先を指定するダイアログボックスが出ますので、指定し、OKボタンを押下。
しばらくWebからの読み込みに時間を要しますが、抽出が完了しました。
(2バイト日本語文字について、サイトが使用する文字コードの種類によっては文字化けすることもあります。)
vlookup関数を使って、在庫表にリアルタイム為替レートを引用するため、通貨3コード(HKD,PHPなど)とTTS(電信売相場)数値の範囲を[rate]という範囲名にしました。
在庫表に戻り、FX_rate列に =VLOOKUP([@[仕入元通貨(code)]],rate,2,0) という数式を入れれば、リアルタイム為替レート入力ツールは完成です。
最後に忘れてはいけない大切なこと
Webクエリを使った資料作成で、忘れがちだけれど、最も気をつけておかなければいけないことは「情報アップデート」です。
[データ]→[外部データの取り込み]→[データ範囲プロパティ]を選択、もしくは[データ]タブの[接続]グループの[プロパティ]をクリックしてください。
[コントロールの更新]→[ファイルを開くときにデータを更新する]にチェックを入れておくことが重要です。これで、毎週でも、毎日でも、ファイルを開いた瞬間に更新データがExcel上に反映され、それ以降の業務が円滑に進められるようになるのです。
まとめ
Webクエリと関数を利用して、インターネット情報をガンガン業務資料化
今回は為替レートの事例を挙げましたが、それ以外にも、統計資料や企業情報など、ネットから収集すべきデータは無尽蔵にあります。
vlookup関数以外との組み合わせでも、業務資料への応用の仕方はいろいろあります。ぜひWebクエリをうまく使いこなして、業務効率爆速化を目指してくださいね。