インボイス制度(2)免税事業者が取るべき対応

インボイス制度(2)免税事業者が取るべき対応

インボイス制度(2)

免税事業者が取るべき対応

適格請求書等保存方式(インボイス制度)では、使用される請求書等の書式が変更になります。それは前回の記事でご説明した通りですが、書式変更は、Excelテンプレートさえ修正できれば、対応完了となります。

インボイス制度について交わされる議論の多くは、じつは書式だけのことではなく「適格請求書発行事業者への登録申請をするか、しないか」という点にあるのです。

そこで、改めて「インボイス制度とは?」という点について、整理してみましょう。

「インボイス制度」とは、仕入税額控除に関する新しい制度

まず、インボイス制度導入に伴う制度変更でとくに影響を受けるのは、課税売上高1000万円以下の「免税事業者」です。これを超える課税売上高があり、すでに消費税の課税事業者になっている法人や個人事業主の場合、経営に大きな影響が出るほどの消費税額変更はありませんので、新ルールに対応するため、新請求書の発行、保存方式の見直しを進めてください。

免税事業者の場合には、制度への対応方法を慎重に考える必要があります。

「インボイス制度」は、ひと言でまとめれば、免税事業者のままでは対応できない「仕入税額控除」に関する新しい制度だからです。

「仕入税額控除」とは?

インボイス制度(2)免税事業者が取るべき対応

仕入税額控除とは、メーカー/卸/小売店など、何段階にも細分化されている商品/サービス流通過程で、二重にも三重にも消費税が積み上げられていくことを避けるための制度です。

上図(仕入先/自社/販売先)3社での仕入-販売の関係では、販売先は150円の消費税を負担しています。

自社はこの150円を一旦預かりますが、全額納税するわけではありません。自社が仕入を行った際に、仕入先に100円の消費税を納めていますので、仕入税額控除され、150-100=50円だけを税務署に納めれば良いルールになっています。

※ただし、3社とも消費税の課税事業者であった場合

免税事業者との取引では、仕入税額控除ができなくなります

2023年10月から実施される予定の「インボイス制度」

(実施当初から制度を利用するためには、(原則)2023年3月31日までの申請手続が必要)。

この新しい制度のもとでは「仕入税額控除」を受けられるのは、仕入先から(適格請求書発行事業者の登録番号が記載された)適格請求書等(インボイス)を受け取れた取引のみです。

そして、適格請求書発行事業者へ登録申請できるのは、課税事業者のみです(免税事業者は、登録申請できません)。

上図(仕入先/自社/販売先)のうち、仕入先が免税事業者だった場合を考えてみます。

インボイス制度導入後、仕入先から適格請求書を受け取れないと、自社は仕入税額控除を受けられなくなります。販売先から預かった消費税150円を納税し、さらに仕入れる際には仕入れ先に100円の消費税を足して支払わなくてはいけなくなります。

そうなると、自社としては、「仕入先を、適格請求書発行事業者に変えようか」と考えるのも自然な流れです。

上図で仕入先が免税事業者だった場合、100円の消費税を預かりながら、免税(納税を免除されていた)わけですから、インボイス制度は「本来の姿により近い制度運用になる」改正であると言えましょう。

とはいえ、これまで免税事業者として事業をしてきたスモールビジネス・オーナーや個人事業主にとっては、ただでさえ税負担が重くなる上に、事務手続きコストもかかります。「放置しておくと、仕事を失いかねない」という理由もお分かりいただけたかと思います。

現在免税事業者であるオーナー/個人事業主は、どのように対応したら良いでしょう?

1.免税事業者のままでいつづける。

 (適格請求書を発行できない理由で、現在受注している仕事を失注する恐れはあります)

2.仮に免税事業者(課税売上高1000万円以下)の事業規模でも、

 課税事業者、および適格請求書発行事業者に登録申請する。

という2つの選択肢が考えられます。

2.のケースは、課税売上高1000万円以下であっても、税務署へ「消費税課税事業者選択届」を提出することで選択できます。そして、このケースの場合、インボイス制度により、本来は免税事業者の事業規模であっても、消費税の納税義務が発生します。

実際の税負担もさることながら、制度にのっとった帳簿や書類の保存ルールを整備したり、申告・納税という付加的な事務作業も発生します。自社の実情、および取引先からの要望なども事前によくヒアリングをして、来たるべき2023年3月末に、今のうちから備えておきましょう。

まとめ:経理の仕組みや、働き方を見直す好機数年後、と言わず、今すぐ経理資料のデジタル化を進めましょう。

インボイス制度も、結局は帳票の定型化とデジタル保存を事業者に求めていく流れのひとつである、ということがご理解いただけましたでしょうか?

2021年末の時点では全事業者約85%が「知らない」と答えるインボイス制度。しかし、スモールビジネス・オーナーや個人事業主には、とても影響の大きな制度変更です。

制度運用後に慌てて、本業に良くない影響を出さないよう、早め早めの準備をしておきましょう。そして、インボイス制度への対応準備は、ぜひ電帳法への対応とも平行して進めていきましょう。

参考記事;

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