PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー
PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

せるワザ

社外との情報交換や、Webからの情報収集では、PDFによる送受信やアップロード/ダウンロードが一般的です。

しかし、PDFに記載される情報をもとに、Excel資料を作成したい場合はないですか?

過去記事「パワークエリなら、有料ソフトいらずで、PDFからExcelへ表を取り出せます!」でもご紹介したように、PDFから数値やテキスト、表(テーブル)などを(書き写しではなく)取得するには、パワークエリエディタが便利です。

今回は、数値やテキストではなく、PDFファイル上に描かれたグラフ・図表・挿絵などのビジュアル素材をExcelへ読み込む方法について、考えてみましょう。

サンプルとして、内閣府報道発表資料からリンクされている「令和6年度(2024年度)政府経済見通しの概要」一般公開PDF資料から、名目GDPと実質GDPのグラフだけを自社Excel資料へ転載するケースを考えてみます。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

↑これを、↓こう変えるための作業です。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

先に結論だけ申し上げれば「スクリーンショットがいちばん(楽ちん!)」ということになるのですが、この結論への過程について、実際に「PDFから折れ線グラフだけを読み込み」しながら見てみましょう。

最新版Microsoft 365では、文書埋め込み(OLE)機能でPDFをインポートすることはできません

以前は、[挿入]→[テキスト]→[オブジェクト]をクリックすることで、PDF書類をExcelへ画像読み込みすることができました。

「以前」というあいまいな表現になるのは、「いつからPDF対応がはじまって、いつ終了したか」という日付の公式発表が、一切検索できない状況だからです。

おそらく2008年頃からのバージョンでは、ワード文書の埋め込み(OLE)機能でPDFを読み込めていましたが、最新のMicrosoft 365版Excelではサポートされていません。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

OLE(Object Linking and Embedding)は、他のソフトでつくられたコンテンツを、同一ファイル内に含めることができる機能のことです。

たとえば、ExcelブックにWord文書を挿入する時に使います。

異なるアプリケーション間でオブジェクトを共有できる便利機能ですが、マルウェアに感染させる攻撃に悪用される可能性もあります。

この攻撃は、Officeマクロを使ったものですが、Office「保護ビュー」が無効になっていたりすると、ユーザーが気づかぬうちに感染するリスクがあります。

推測ですが、PDFファイルの埋め込み(OLE)がサポートされなくなった要因の1つに、セキュリティ問題もあったのではないでしょうか(Microsoft Word文書の埋め込み(OLE)機能は、Microsoft 365版最新バージョンでも使用できます)。

パワークエリエディタで、グラフは読み込めません

過去記事「パワークエリなら、有料ソフトいらずで、PDFからExcelへ表を取り出せます!」で、表(テーブル)をPDFからExcel化してみましたが、残念ながら、折れ線グラフをパワークエリエディタで読み込むことはできません。試してみた結果がこちら。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

あらら、肝心な折れ線は、どこかへふっ飛んでしまいましたね。

もちろん、折れ線グラフの元となった時系列のGDP数値をExcel表(テーブル)化して、そこからExcel自体のグラフ機能を使ってグラフを再現することは可能です。

しかし、「作図すること」がキモではなく、あくまでも補助資料として添えるだけであれば、グラフを作り直す時間と労力がもったいないですよね。

図表を加工したり、分析に用いたりするのでなければ、割り切って.jpg/.pngなどの形式で画像として保存し、写真と同じように、画像貼り付けですませましょう。

意外にまだ知られていない、Microsoft 365のExcelのスクリーンショット・ボタン

スクリーンショット(スクリーンキャプチャ)自体は、パソコンで資料を作成する時によく用いる方法です。

しかし、あなたは、どのような手順で図表をキャプチャしていますか?

もし一般的な方法、つまり、“キーボードの[Prt Sc]キーでスクリーンショット([Prt Sc]キーがないキーボードもあります)→ペイント、もしくはShipping toolでトリム(切り抜き/装飾)→Excelで[挿入]→[写真]で選択→[OK]”という手順なら、書き出すだけでも長くなりますから、けっこう面倒な作業になっていることでしょう。

また、Excelには、ファイルを軽量化するため、挿入した画像を自動圧縮するおせっかい機能がありますから、挿入してみたら、視認性が落ちていた、というケースもあります。

たとえば、今回のサンプルPDFは比較的軽い容量の資料ですが、ためしに重い画像を加えた資料を作って、画像挿入してみました。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

画像が圧縮されてしまい、肝心のグラフ凡例が 580 だか 560 だかよくわからない、残念な資料に仕上がってしまいました。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

実は、最近はこのような悩みを一発で解決してくれる、魔法のボタンが搭載されているんですよ。ご存知でした?

2020年頃 Office 365 (現 Microsoft 365)に出現したカメラ・アイコン(これも正式リリース日時は不明)。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

他ソフトを介さず、ExcelやWordなどのOfficeソフト内だけで、画面キャプチャを自動挿入してくれる「スクリーンショット」ボタンです。

簡単なだけでなく、容量をExcelで取り回せる軽さで自動保存してくれるため、文字つぶれなどの心配も少ないすぐれものです。

Excel過去バージョンを検証しきれていませんが、現在ではExcel for Microsoft 365、2019、2016、2013、2010にボタン追加可能とのことです。

ご自身のパソコンでも、Officeアップデートしてさがしてみると、使えるようになっているかもしれませんよ。

使い方はとても簡単(Microsoft 365で試してみます)。

まず、画面キャプチャしたい画像をデスクトップに表示しておきます。 その上で、[挿入]→[スクリーンショット]アイコンをクリックすると、現在デスクトップ上に表示されている複数の画面がプレビューできます。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

プレビュー画像そのものを選択、クリックすると、その画面全体がExcelへ自動挿入されますが、ぜひ左下の[画面の領域]をクリックしてみてください。

Excelへ読み込む範囲を選択できるプレビュー画面が表示されますので、今回は折れ線グラフだけをドラッグすると、全画面の中から、選択範囲だけがExcelブックへ読み込めます。

PDF資料をExcelで活用するには、スクリーンショット・ボタンによるキャプチャがラクラク!

できあがり!!

いままで、スクショからの、切り抜きからの、画像ファイル保存からの、画像挿入していた手間はなんだったんでしょう...?

もしスクリーンショット・ボタンを追加可能なバージョンのExcelをお使いなら、ぜひ試してみることをおすすめしますよ。

PDFなど別ソフトで作られた資料からの図表の読み込みが、ホントに”一発!”でできてしまいますから。

まとめ;パワークエリエディタが使えない図表・挿絵のExcel読み込みは、スクリーンショット・ボタンでの画像挿入が簡単!

資料作成にWeb/PDFの情報を活用することは、いまや常識となっています。

そして、Excelへ読み込ませた方がよいWeb/PDF情報は、数値やテキストばかりでなく、グラフや挿絵、写真画像なども考えられます。

一般に、受信者が自由に加工編集できない形で公開されている情報をExcelへ読み込む場合には、パワークエリエディタかスクリーンショットを活用することになります。

しかし、できるだけ「手動書き写し」の手間を省略したいなら、まずはきちんとOfficeアップデートして、ご自身のExcelでスクリーンショット・ボタンが使用できるかどうかを調べてみてください。

せるワザ

もしこの機能が利用できるなら、使わないとソンですよ。

わざわざペイントやShipping Toolを介する必要がなくなり、希望する読み込み範囲が、一発で画像化されExcelブック上に読み込めますから。









小さなお悩みでも、
お気軽にご相談ください!

お急ぎの方はお電話にてお問い合わせください

050-6867-2130
せるワザロゴ

セルワザでは、役に立つEXCELワザをご紹介しております!

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー