2024年7月には、後世へ語りつがれる(!?)大事件が発生しました!!!
パリ・オリンピック? いえいえ…
Excelチェックボックスの、[挿入]タブ移動です!
はっ?
それがどうしたんですか?
いえいえ…Excelの地味な仕様変更ですが、これをうまく活用すれば、業務管理がとてもはかどるようになりますよ!。
今回は、新しくなったExcelチェックボックスの仕様と活用法について解説します。
従来のチェックボックスは、フォームコントロールから挿入しました
元々、チェックボックスは[開発]タブ→[フォームコントロール]より選択することができました。
Excelのフォームコントロールとは、ワークシートにユーザーとの対話的機能を追加するためのツール群です。
・コンボボックス
・リストボックス
・オプションボタン
・スピンボタン
など、用途にあわせて、いろいろなツールを使い分けることができます。
ただし、使いやすいかというと、あんまり…
まず、従来のチェックボックスは、[開発]タブ下位メニューとして設置されていましたが、Excel初期設定では、[開発]タブ自体が非表示であることも多く、VBAマクロを使いこなす人以外は、あまり使用しないツール群でした。
ところが、2024年7月以降、最新の更新プログラムをあてたExcelで[チェックボックス]ボタンだけが、[挿入]タブの1丁目1番地(ド真ん中)へ、お引越ししたのです。
チェックボックス・ツール自体の使い方も、[フォームコントロール]の一種だった頃にくらべて、格段に向上しています。
従来のチェックボックスは、
(1)ワークシート上、配置する位置を選択
(2)必要に応じて、チェックボックス名を編集・変更
(3)チェックボックスにリンクするセルなどを手動設定
というステップをふむ必要がありました。これが、新チェックボックスでは、(2)、(3)が省略でき、(1)セル位置選択後、新チェックボックス・ボタンをクリックするだけで終了! という簡便さです。
※ちなみに、下図のようにチェックボックスにチェックが入っていない状態は、Excelワークシート上”FALSE”と認識され、チェックを入れると”TRUE”に変換されます。このFALSE/TURE(NO/YES)の分岐によって、関連する計算式や関数を制御するのが、チェックボックスの機能です。
新チェックボックスを使うと、どんなメリットがありますか?
チェックボックス活用方法として、一般的には、以下のような例があげられます。
1.在庫管理(棚卸し商品、もしくは欠品の有無を明示)
2.アンケート
(回答者が複数選択肢から回答を選ぶ場合、後の集計作業を効率化)
3.ToDo、あるいはタスクトラッキング
(自分の行動計画、あるいはチームのプロジェクト管理について、完了・未完了を明確化)
なかでも、特に3番目(ToDo/タスクトラッキング)に大きな期待を寄せるExcelユーザーは多いのではないでしょうか。
デジタル/アナログ(紙)あわせて、すでに数多くのタスクトラッカーが世の中には存在します。
スマートフォンのアプリストアでも、”ToDoリスト”で検索すると、有料・無料の何十種類ものソフトが紹介されています(Microsoft 365シリーズの中にも、”ToDo”という別アプリがありますね)。
しかし、実際に使った人の感覚としては、”帯に短し、タスキに流し( = 中途半端)”な製品・サービスが多いのではないでしょうか? いくつものサービスを試しまわった末に、結局手書きメモへもどった人もいることでしょう。
アプリやPCソフトを使ったタスクトラッキングに失敗してしまった人は、Excelでマイオリジナル・タスクトラッカーを作ってしまえばよいのです。その時に強い味方になるのが、この新チェックボックスなのです。
ためしに、Excel標準テンプレートとしてダウンロード可能な「タスク管理」を改造して、自分仕様にしてみましょう。
初期状態では、テンプレート内に新チェックボックスが含まれませんから、それを加えるところから作業をはじめてみましょう。
新チェックボックスを追加したいセルを一括選択して、[挿入]→[チェックボックス]ボタンクリックで、3つのチェックボックスを一括挿入できました。
ついでに、上図でセルC5からE5までに、[条件つき書式]設定をしてみましょう。
=$B5=TRUE(つまり、新チェックボックスにチェックが入った状態)の場合、「マイタスク」「開始日」「期日」セルの文字色を黒→灰に変え、取消線を追加します。
<チェックなし>
<チェックあり>
新チェックボックスのチェック有無+条件つき書式設定によって、簡単に表示内容を分岐させることができました。
さらに[条件つき書式]によって、セルの値がTODAY()-1より大きい場合(つまり締切日前日以降)、期日セルを赤太文字にしてみてはいかがでしょうか?
これが、業務管理に使われているExcel資料の同一ワークシート内、もしくは同一ブックの別ワークシートなどに格納されていたら、さすがに”締切を破ろう”とは思えなくなるのではないでしょうか。
まとめ:チェックボックスが地味に大幅改善!!ToDo/タスク管理も、Excelで自分仕様にカスタマイズしませんか?
今回の仕様変更は、Microsoft社から大々的に宣伝されたわけではありませんが、一部ユーザーにとっては、「涙がこぼれるくらい」うれしい機能改善です。
だって、あの面倒くさいフォームコントロールをさわらなくても、簡単にマイオリジナルToDoリストを、Excel上に作れてしまうのですから。 操作方法も、従来にくらべビックリするくらい簡単になっていますから、お仕事のスキマ時間に、試しにちょっと作ってみてくださいね。
あとは、作業がラクになったことに安心しきって、ToDoリスト自体を作る締切をこえてしまわないように気をつけないと…ですね。