一般的なExcelの使い方としては、帳表作成、データ蓄積、分析計算などが多いでしょうか?
仕上がった分析結果を他者へレポート、もしくはプレゼンする場合、わざわざ表やグラフをコピーして、パワーポイント・Wordその他ソフトへ貼り付けたりすることもあるでしょう。
しかし、せっかく資料作成をExcelではじめたのなら、第三者への説明もExcelだけで完結させてみてはいかがですか? Microsoft Excelの最新のバージョンでは、特殊グラフや視覚効果向上のためのツール類も、数多く搭載されています。
さらに、Excel機能を拡張するためのアドインを活用すれば、無味乾燥な業務書類も、びっくりするほど視覚的に分かりやすい説明資料になります。
今回は、Microsoft AppSourceからダウンロードしてきたExcel用アドインを使った、資料視覚化の事例をご紹介します。
ストア(AppSource)で、可視化や自動化、その他Excel計算機能強化のためのアドインが無料ダウンロードできます(有料アドインもあり)
Excelの便利なアドイン、利用したことはありますか?
Microsoft 365版Excelであれば、[ホーム]リボンの[アドイン]コマンドをクリックして表示される各種ツールのことです。
ここから、アドイン・ストア(Microsoft AppSource)をのぞいてみると、世界中から集まった数多くのアドイン(しかも、その多くは概要説明が英語)が表示され、カテゴリ分類も「CRM」やら「ドキュメント校閲」やら「財務管理」やら、なにやらとても難しそう…。
でも、ここでビビる必要はありません。
ごく大雑把(おおざっぱ)に分類してしまえば、一般ユーザーがExcelアドインに期待できることとしては、
(1)計算機能の強化(より高度な分析モデルの導入)
(2)タスクの自動化
(3)データ・ビジュアライゼイション(可視化)
などである、ととらえておけば十分でしょう。今回は、特にこの中でも、(3)データ・ビジュアライゼイションに注目してみます。
Excelのアドインで、特殊グラフを作ったり、YouTube動画をワークシートへ挿入してみましょう
たとえば、以下のようにごく簡単な表を作りました。
これをグラフ表示する場合、Excel標準の横棒グラフと、アドインを使った特殊グラフとでは、どちらが視覚的に強いインパクトを与えることができるでしょうか?
<Excel標準グラフ>
<アドインPeople Graphで作成したグラフ>
この”Pepple Graph”は、Excelワークシート上のデータを視覚的に表現することに特化したアドインです。
特に、人口統計データやアンケート結果など、人に関するデータをグラフィカルに表示することに適しています。
操作も簡単で、アイコンや配色などをいろいろアレンジできますので、手軽に高インパクトなグラフを作成することができます。
会議(プレゼン)のメンバーや雰囲気を配慮する必要はあるものの、受け手に強い印象を与えようとするなら、Excel標準グラフよりは、アドイン・グラフを活用した方が、説得力が増すような気がしませんか?
さらにExcelワーカーの強力な助っ人として、AppSourceサイトで常に上位にランクされているのが、Microsoft Visio Data Visualizerです。Excel開発元であるMicrosoft社製の作図ソフトウエア”Visio”のエッセンスを、Excelワークシート上で利活用できる便利なアドインです。
ネットワーク、組織図、電気回路図など、複雑なデータを視覚的に整理し、簡単にフローチャートやプロセス図に仕上げてくれます。
Excelに標準搭載された図形を組み合わせても組織図やフローチャートは作成できますが、実際に作業した方なら、その面倒くささが理解できることでしょう。このアドインは、作図の手間を大幅に軽減してくれます。そして、元表をドラッグ(選択)したままアドインを起動するだけで、ほぼ完成系に近いダイアグラム(図表・略図・図形)を手に入れることができるのです。
たとえば、元表を特に指定せずに、このアドインを起動すると、すぐにサンプル・チャートが表示されます。
このチャートと同一Excelワークシート内に、元表(但し元表は電気回路図のサンプルです)となるデータが表示されますので、それを加工・編集するだけで、あっという間に組織図だって作れてしまうのです。
本記事の最後に、ちょっと変わった”可視化”のアドインをご紹介しましょう。
Web Video Playerは、Excelワークシート上に、YouTubeやVimeoの動画サムネイルを直接表示し、画像をクリックすれば、該当する動画をExcel上で視聴できるプレーヤー・アドインです。
YouTube一般公開動画の中にも、仕事に使える情報はたくさん配信されていて、それらをうまくクリッピングしておくことで、自分の備忘録としても、業務引継資料としても役に立つ場面が多々あります。
もしExcelで備忘録や引継資料を作っているならば、関連動画の紹介はハイパーリンクとサムネイルと、どちらが第三者にとって分かりやすいでしょうか?
<ハイパーリンク>
<動画サムネイル>
このWeb Video Playerも操作方法はきわめてシンプルで、保存対象とするYouTubeなどの動画URLを、アドインのダイアログボックスに入力するのみです。
(1)動画の共有リンクURLを取得
(2)アドインのダイアログボックスに動画リンクURLをペーストし、[Set Video▶️]をクリック
(3)あっという間に、Excelワークシート上に動画プレーヤーが挿入されます。
まとめ;Microsoft AppSourceには、Excel資料の表現力をあげるアドインがいっぱい! ぜひ有効活用しましょう
前章でご紹介した3つの便利なアドインは、すべてMicrosoft AppSourceでアドイン名検索をすると、無料でダウンロードできます。
この他にも、高機能なアドインが多数紹介されていますから、サイトを直接ブラウズしてみてください。
最近のExcelの進化はめざましく、データ表現力や操作性に関しても、数年前のバージョンよりはかなり向上しています。
とはいえ、やはり「計算ソフト」なので、可視性などの面ではまだ、「できないこと」があることも事実です。
そのようなことを補完してくれる便利なアドイン、ぜひあなたの仕事や日常生活に便利な”お役立ちツール”として、ご活用くださいね。