チェックボックスが[挿入]タブへ移動して使いやすくなり、ToDoやタスク・マネジメント、行程管理などへ、Excelをフル活用している方も多いのではないでしょうか?
Microsoft社からも、Officeテンプレート集で行程管理表(業務・スケジュール)ワークシートを無料配布していますので、そちらもぜひ活用してみてくださいね。
ん? というか、ご本家のこの行程管理テンプレート、ぜんぜん駄目じゃん!!
どこが?
ここが↓
セル結合だらけじゃん!!
行程管理の資料ですよ?
検索とか、フィルタリングとか、情報の絞り込み機能を、普通に使うでしょう?
そこで、本記事では、「お手本」である行程管理表を改造して、もっと情報検索しやすいシートに変えてみました。そのキモが、条件付き書式なのです。
“セル結合”の代わりにも、”条件付き書式”を使ってみましょう
条件付き書式は、特定のセル値や計算結果に対して条件を設定し、その条件を満たすセルだけ、強調などをする機能です。
売上減少を示す数値を赤太文字で強調したり、成績上位※※位の学生や社員のみ、ランキング表上でフォント・サイズをあげたり、という使い方をします。
しかし、条件付き書式は、”強調”だけのツールだけではありません。
ある条件下では、”強調しない”、もしくは”表示しない”こともできます。
その機能をうまく利用すれば、セル結合をしなくても、見やすい行程管理表を作成することができます。
ためしに、Microsoft社お手本の行程管理表(月間)にダミーのプロジェクト管理項目を代入して、シートの構造を変えてみることにしました。
※使いやすくなったチェックボックスを、挿入しておくこともお忘れなく!!
まずは、ワークシート全体のセル結合を一気に解除します。
うわっ、こりゃひどい。こんなにセル結合が多用されていました。
条件付き書式でも色指定をすることがありますので、元から塗られていたセル色は無色にして、すべての小分類に対応する大分類をコピー&ペーストしたら、このような管理表となりました。
このように結合をなくせば、フィルタリングも並べ替えも、容易にできるようになります。
しかしこのままでは、プリント・アウトした時に見づらい表となりますので、下記のように直します。
“大分類”の入っているB列で、[ホーム]→[条件付き書式]→[新しいルール…]で、”1つ上のセルと同一文字列であれば、表示しない”という条件を設定すればよいのです。
たとえば、セルB4番地の[条件付き書式]では「=B4=B3 ならば、;;;(半角セミコロン3つ ※”非表示”の意味)、かつセル上部の罫線を消す」という設定にしておけば、表示は次のように変わります。
さらに、=B4=B3の計算式を、=AND(B4=B3,SUBTOTAL(3,B3)=1)
※同一列内に同じ文字列数小計が1つだけ
と設定すると(実はこの2つの条件は背反するので)、フィルターをかけ1行だけ抽出したレコードの場合、消えていた(非表示の)大分類も、ふたたび表示されるようになるのです。
終了案件の消し込み(グレーアウト)も、進捗率の可視化も、条件付き書式におまかせ
せっかくチェックボックスを追加したなら、案件終了のチェックを入れた時にひと目でわかるように、条件付き書式で「チェック済み(セル値がTRUE)ならセル色をグレーアウト」と設定しておきしょう。
そして最後に、案件終了までの進捗率を可視化するため、同じく条件付き書式の”データバー”を使用します。
あらかじめ、0%から100%まで、プルダウン・リストで進捗率を選択できるようにしておき、[条件付き書式]→[データバー(D)]→[塗りつぶし(グラデーション)]を選択します。
Microsoft社公開のお手本は、[条件付き書式]をうまく使って、より”検索”、”データ抽出”、”進捗率確認”が容易な行程管理表となりました!
まとめ;セル結合しちゃったら、フィルター検索しづらいもの
条件付き書式を利用して、操作や進捗確認しやすい管理表を作りましょう
セル結合は、表などを美しくプリント・アウトしたい場合、有効なこともあります。
しかし、「管理表」として”データ管理”、”検索”、”抽出”するためには、使ってはいけない方法です。
なぜなら、セル結合がじゃまをして、情報にうまくフィルターをかけられなくなってしまうからです。
そこで、ToDoやタスク/行程管理表などでは、極力セル結合を排除して、条件付き書式に置きかえることを検討してみてください。
条件付き書式は、”強調”の書式以外にも、”非強調”、”書式消去”の指示を出すことができますから、これかをうまく活用すれば、セル結合をしなくても、美しく、かつパワフルな管理表が作成できるようになりますよ。