

確定申告や法人の決算期末になると、不機嫌そうな人が増える気がしません?
きっと、通常業務に加えて、決算むけの作業もこなさなければならないので、時間に余裕がなくなっているのかもしれませんね?(かくいうワタクシも、その1人でした…汗;)
特に面倒なのが、電帳法施行下でも、まだ多く残る商店や飲食店などの紙レシート。
つい「〆切前にまとめてExcel入力すればいいや」なんて貯めておくと、気がつけば、数時間では処理しきれない分量のレシートが積み上げられてしまったり…さらに汗;。
今回は、面倒な紙レシートのテキストデータ化を、AIに頼ってみてはいかがですか?というご提案です。
GoogleGeminiだと、パワークエリやSnipping ToolのOCRより正確に、日本語情報をテキストデータ化してくれました
過去にも、Excelの「画像からのデータ」コマンドを活用したり、Windows 11標準のSnipping ToolでOCRしてみたり、いろいろ試してはみたのですが、課題が、”日本語2バイト文字(漢字・ひらがな・カタカナ)をデータ化する時の精度の低さ”。
確かに、世界的にみればローカル言語である日本語を、まだ高い精度でOCR処理できるツールは少ないのでしょうが、現場でバリバリ使うには、やや心もとない印象です。
そんな折、「確定申告の仕分け作業、「AI」に任せると本当にラク? 精度を試してみた」という記事を見つけましたので、「あ、そうだ! AIに相談してみりゃいいのか」と気づいたわけです。
以下に、その”お試し”結果をご報告しますね。
※AIからの回答は、本記事執筆時点である2025年2月中旬時点のもので、いつでも同様の調査結果となるわけではありません。
まず、Excelとはもっとも相性がよい(だろう)と推測される、同じMicrosoft社のCopilotから。
いままでは、ExcelでCopilotを使用するには、Microsoft 365サブスクリプションなどとは別に、必ずCopilot Pro(月額3,200円)へ申し込む必要がありました。
しかし、2025年2月からは、月間60クレジット(およそ1問合せで1クレジット消費)分だけ、Copilot Pro契約者以外のMicrosoft 365 Personal/Family会員でも、ExcelなどOfficeソフト上で、Copilot使用をできるようになりました。
ちなみに、今回Copilotへ投げてみたプロンプト(命令文)はこちら。


AI各サービスには、現在、「画像解析」のメニューも追加されていますから(上図の”←コレ”)先のプロンプトに加えて、レシート画像を添付することで、AIが思いをめぐらしてくれるかと思ったら…、Copilotちゃんが何と回答してきたと思いますか?


“本当は力になりたのですが、この話題について、話すことが許されていません。”
ホント!?
なんでレシートの話題が禁止されているんでしょうかね???
すっかりCopilotちゃんにフラれてしまいましたので、気をとり直して、同じ質問をGoogle Geminiちゃんへ(ちなみに、ChatGTPからも正確なフィードバックがありました)。


このプロンプトに対する返答は以下の通り。


手元には30枚以上のレシートが積み上がっていたのですが、Geminiちゃんは嫌な顔ひとつせず、日本語の文字読みにも、ほぼ100%の精度で応えてくれました。おかげで、30数回の同じやり取りを経て、5分もかけずに、30数件の紙レシートをテキストデータ化することに成功しました。


AIを文字読みだけに使うのはもったいないかも!?
選択肢を与えると、さらに使い勝手のよい回答を返してくれます
GeminiなどのAIサービスに画像をテキストデータ化してもらった結果は、Excel標準OCRよりもかなり高い精度(特に日本語表記)でした。
しかし、ただテキストデータを得るだけの作業であれば、プロンプトを30数回くり返す手間をはぶいて、OCR一括変換後に校正すればよいかもしれません。
では、OCRソフトとAIサービスの決定的なちがいは何でしょうか。
OCRは、画像にない情報を一切あつかいませんが、AIなら、的確なプロンプトによって、画像にない有益な情報を自動で付記してくれるところです。会計帳簿づくりなどの定型業務にAIが効くかも?とみられているのは、まさにこの付加情報の部分です。
たとえば、会計帳簿づくりでは、紙レシートにはない「勘定科目」を、必ず挿入します(会議費とか、雑消耗品費とか、水道光熱費とか…)。
「勘定科目のわけ方(仕訳)」をあらかじめAIにきちんと明示しておけば、紙レシートの内容をAIが判断して、最も適当と推定される勘定科目をテキストデータに付記してくれるのです。
たとえば、シンプルな例として、「飲食店のレシート=取材費、飲食店以外レシート=雑費」というルールを、プロンプトに追加してみましょう。


Geminiちゃんは、嫌な顔ひとつせず、要求に応えてくれました。
まとめ;紙レシートからの帳簿整理は、まず生成AIサービスに相談!?OCRより強力な日本語データ化機能+αで、定型作業を強力バックアップ!
繰り返しますが、前章までの検証は、すべて2025年2月中旬に行ったものです。
ChatGPTが広く知られるようになった2022年11月から、わずか2年半で、サービスベンダー数が急激にふえ、サービスのクリティも、劇的に進化しました。これから1年後、いや半年後には、さらに強力な付加機能があらわれたりして、AI活用法が、また変わるかもしれません。 しかし、紙からの会計帳簿づくりなどは、現場作業へ生成AIを取り込む1事例として、どこの職場でもすぐできる活用法の1つではないでしょうか。



マンパワー不足に悩んでいる個人、中小規模法人でこそ、AI+Excelの組み合わせが今後、強い助っ人になってくれるかもしれませんね。





