

一部バージョンのExcelにCopilotボタンが現れた話は以前解説しましたが、Copilot以外にも生成AIサービスは数多く存在しています。
そのほとんどが、仕事の負荷を下げる目的で稼働していますから、Excel仕事だって、ご本家MicrosoftのCopilot以外に手伝ってくれる生成AIがあるはずでは? と、期待するビジネス・パーソンも多いのではないでしょうか。
そこで、ためしにGoogleのGemini advancedへExcelファイル(.xlsx)を読みこませてみました。プロンプト(命令文)を具体的に、仕事に直結するように投げかけられれば、かなり実用的なフィードバックが得られるだろうという手ごたえを感じましたので、問答集を下記にご紹介しますね。
Gemini advancedなら、.xlsxファイルを読み込ませてファイル内容を分析させることができます
2025年3月現在、Googleの生成AIサービスには、無料のGeminiと有料(月額税込2,900円・初月無料)のGemini advancedがあります。Gemini無料版でも2025年2月以降、資料ファイルのアップロード機能が搭載されましたが、対応可能なファイル形式はPDFや.docx、Googleドキュメントの文書などで、.xlsxファイルは、advanced(有料版)ユーザーのみアップロードすることができます。
そこで、advanced契約したGoogleアカウントから、Chromeブラウザを使ってGoogle Geminiにアクセスしてみました。


このブラウザから、米Tableau softwareユーザーコミュニティ上に一般公開されている、スーパーの注文記録サンプル.xlsxを読み込ませてみました。


まず、.xlsxファイルの内容が全くわからない前提で、「この資料は何ですか?」と問いかけました。
Geminiは、ファイル内3つのワークシートをそれぞれ読み込んで、内容に関する簡潔な回答を返してくれました。


おまけに、このファイルを使ってできることのアイディアまで、補足情報として教えてくれました。


Geminiがそこまでいうのなら(!?)、Excelブックから「データの分析」や「可視化」を手伝ってもらおうじゃありませんか!!
まずは受注情報の、地域別集計を作ってもらいましょう!


(なぜか回答は英語表記ですが)1分足らずで依頼通りの地域別集計を、表形式でまとめて回答してくれました。


回答結果をそのまま元のExcelブックへもどす機能はありませんが、Google Workspaceファミリーの「スプレッドシート」へはエクスポートが可能です。


グラフの作成もGemini advancedにお任せ!
Geminiは先ほど、「分析も可視化もお任せあれ!」と大見得を切っていましたので、「それならば他に何ができるのか?」をたずねてみました。
ー
もちろんです。(以下、回答文を一部抜粋)
提供されたデータを使用した、さらなるデータ分析と可視化の方法をいくつかご紹介します。
1. 売上分析:
2. 顧客分析:
3. 製品分析:
4. 配送分析:
5. 返品分析:
6. 地域分析:
7. データの組み合わせ:
データ可視化のために、以下のようなグラフがおすすめです。
1. 売上高の推移:
2. 顧客分析:
3. 製品分析:
4. 配送分析:
5. 返品分析:
6. 地域分析:
* 地域別または州別の売上実績を可視化する地図。
これらはほんの一例であり、具体的な分析および可視化手法は、分析の目標によって異なります。
ー
Geminiがここまでのアイディアをくれましたので、それでは、元のExcelブックから、「月間売上推移」を集計し、折れ線グラフ化してもらいましょう。
ー
Here is the order information aggregated by sales month:
Sales Month | Total_Sales | Total_Quantity | Total_Profit |
April | 137762 | 2447 | 11587.4 |
August | 159044 | 2784 | 21776.9 |
December | 325294 | 5419 | 43369.2 |
February | 59751.3 | 1067 | 10294.6 |
January | 94924.8 | 1475 | 9134.45 |
July | 147238 | 2705 | 13832.7 |
June | 152719 | 2680 | 21285.8 |
March | 205005 | 2564 | 28594.7 |
May | 155029 | 2791 | 22411.3 |
November | 352461 | 5775 | 35468.4 |
October | 200323 | 3104 | 31784 |
September | 307650 | 5062 | 36857.5 |
Let me know if you would like any further analysis or have additional questions.
ー
(今回も回答は英語でしたが)回答内容は依頼にそったものでした。
※ビジネス上の実データを集計する場合、読みちがえや認識ちがいの可能性があるため、必ずファクト・チェックを行ってくださいね。
続いて、月次売上推移グラフも作ってもらいました。


このプロンプト(命令文)に対するGeminiの回答がこちら。


ちなみに、各回答の右肩には[コードを表示< >]ボタンがあり、


クリックすると、GeminiがこのExcelブックの情報からチャートを組み立てるにあたって、Pythonのコードを使いデータ操作を行っていることがわかります。


自分でPythonプログラムを組める方なら、このソースコードを自分好みに書きかえて、さらに分かりやすい資料へ更新することもできますね。
以上、(一応マクロウイルス・チェックだけは済んでいる)まったく内容のわからないExcelブックについて、その内容をGemini advancedとともに調べてみた事例としてご紹介しました。
まとめ;Google Gemini advancedへExcelブックをアップロードすると仕事に役立つアイディアをたくさん提供してくれます
2025年3月現在、Excelブックのアップロード機能は、advanced(有料版)ユーザーだけに提供されています。もしあなたのまわりにadvancedを活用できる環境があったら、ぜひ活用してみましょう!



分析や可視化したデータのエクスポート先はGoogleスプレッドシートですが、生成AIからの回答を、単なる文字情報ではなく、自在に加工・編集できる数値やテーブルの形で入手できます。
分析ソースコードもおしみなく公開してくれていますので、仕事の効率化とともに、Gemini advancedは、「学びの機会」までも与えてくれそうですね。





