

日本国内のバーコード決済手段で圧倒的な(6割強)シェアを占めるPayPay。大型キャッシュバック・キャンペーンがよく行われているので、お買い物に活用する人も多いと思いますが、その入出金管理ってどうしてますか?
これまでは、オンライン家計簿サービスなどとの連携に対応せず、アプリ内から取引履歴を書きとめておくぐらいしか、記録方法がありませんでした。しかし、2025年2月に、画期的なアプリ仕様変更が行われたのです。
この記事では、スマートフォンのPayPayアプリから、取引履歴をCSVダウンロードして、Excelで利用する方法についてご紹介します。
スマートフォンのPayPayアプリ取引履歴から、「過去2年分」の記録が一括ダウンロードできるようになりました
まず、2025年2月6日のPayPayおしらせから。


PayPayも厚生労働省の賃金デジタル払い制度に参加している以上、利用者自身によるデータ・コントロールの仕組みづくりを進めていくということなのでしょう。日常的なキャッシュレス決済を安心して行うツールとして、もっと早くリリースしてほしかったくらいです。
同じおしらせ文に、具体的な操作方法も紹介されていますので、見てみましょう。


アプリの「取引履歴」をタップして、CSVダウンロードを希望する期間を設定します。「今月」「先月」「昨年」「その他の期間(過去2年間から自由に日付指定)」という4つの選択肢がありますので、早速、過去2年分の取引履歴を全部ダウンロードしてみましょう。


「ダウンロード申請」ボタンをタップすると、対象期間の取引履歴CSV生成が始まります。オンライン(リアルタイム)処理ではなく、バッチ処理(「申請」リクエストをためてから一括処理)する仕組みのようですが、まだ利用者がそれほど多くないためか、リクエストを出せば、瞬時にデータがダウンロードできるようになります。


ダウンロードできるCSVの内容は、上図のとおりです。海外使用分については、通貨と(円)変換レートも明示されるので、確定申告や海外出張経費精算が必要な人でも、一発で必要経費額が割り出せますね。
※上記4画像は、いずれもPayPayおしらせより転載
それでは、実際にアプリからダウンロードしたCSVを、Excelへ読み込んで使用してみましょう。
CSVをExcelで有効活用するには、PowerQueryエディタで成形しましょう
たとえば、2025年時点で「昨年」というボタンをクリックすると、数秒で 「Transactions_20240101-20241231.csv」というCSVファイルが生成されます。
このファイルをスマートフォンからパソコンへ転送し、パソコン上のExcelで開きます。
PowerQueryエディタで、あらかじめデータをクレンジングしてからExcelワークシート上に読み込むのがよさそうですね。


CSVの「取引日」データ形式は yyyy/mm/dd hh:mm:ss形式で、そのまま文字列としてExcelワークシートへ読み込むと、後から日付による集計や日にちの足し引き計算に使えないデータになる可能性があります。もし取引時分の情報が不要であれば、PowerQueryエディタで、「日付のみ」(yyyy/mm/dd)に変換しておけば、Excelワークシート上でも、日付のシリアル値として計算・集計に活用できますね。
さらに、PowerQueryエディタによれば、「出金金額(円)」「入金金額(円)」列の数値データも”文字列”と認識されているので、整数(1,2,3…)に変換しておきます。
※通貨(💲)に変換することもできますが、日本円取引では使われない小数点を自動挿入してしまうこともあるので、日本円金額計算の場合には、整数変換した方が便利そうです。


これで、一般人には複雑怪奇なPayPayウォレット内での全取引(”PayPayマネー”、”PayPayマネーライト”、”PayPayポイント”、その他)を、Excelワークシートを介して自由に集計・足し引き・分類することができるようになりました。
※余談ですが、”PayPayマネー”と”PayPayマネーライト”のちがい、正確に説明できますか? その解説をすることは、この記事の本筋ではないので、詳しくはPayPayヘルプの該当ページをご参照ください。
しかし、もし仮に将来、「お給料をPayPay払いで」受け取ることになった場合、上記のような金種のちがいをよく理解しておかないと、「うまく受け取れない」、「うまく支払えない」トラブルのもとになりかねません。それ以前に、通貨の一種として現金の代わりに愛用されるようになるためには、一般ユーザーとしては「仕組みがもっとシンプルだといい」んですけどね。
まとめ;ビジネス経費精算にも便利なPayPay取引履歴のCSVダウンロードPowerQueryエディタでクレンジングすれば、自由自在に足し引き&集計!
2025年2月からスマートフォンのPayPayアプリに搭載された新機能「取引履歴のCSVダウンロード」は、ビジネス経費精算などの証憑資料作成に、とても役立ちます。
ただし、ダウンロードした”生のCSVデータ”は、そのままでは分類・集計に適さないので、Excelワークシートへ読み込む前に、PowerQueryエディタで成形しておきましょう。そうすることで、家計簿やビジネス帳簿へも取り込みやすい、リアルな取引履歴が分類・集計可能になります。
この機能をうまく使いこなせるようになれば、キャッシュレス決済でもご自身の履歴データ・コントロールを自分自身で楽に正確に行うことができ、キャッシュレス決済を利用することへの心理的ハードルが一段下げられることになります。ぜひ一度、アプリからのCSVダウンロードを、ご自身で試してみてください。



「えっ、こんなもんに、こんなたくさん支払っていたのか!?」なんていう、ありがたくない驚きがあるかもしれませんが…!?





