

事務職の新社会人が、まずOJT(On-the-Job Training/職場内訓練)でとりくむのが、パソコンを使った書類作成ではないでしょうか。
卒論やレポート作成などで、学生時代からMicrosoft Wordの操作になれた人でも、理数工科系以外を専攻していた場合、Excelなどの表計算ソフトを使う頻度は低かったかもしれません。
しかし! ビジネスの現場は、Excelで動いています。
中小企業(従業員数50-200名)でも約半数弱、大企業(従業員数5000名以上)の75%がMicrosoft 365を導入 ※ネットアテスト2022年調査 し、企業で使われている表計算ソフトの約8割がMicrosoft Excelなのです。※GO TO MARKET 2022年調査
今回は、初心にたち返って、新社会人や、かつて新人だった方(後輩を指導する立場の人)が、Microsoft Excelを最低限使いこなすために押さえておきたい必須Excel関数のメニューをしぼり込んで、ご紹介します。
Excel関数の基本的な使い方も、いまやMicrosoft Copilot(生成AI)が的確に教えてくれます
普段あまり表計算ソフトを使わない人でも、ChatGPTやMicrosoft Copilot、Google Geminiなどの生成AIサービスは、スマートフォンなどから利用する機会が多いのではないでしょうか。
そこで、Excelを使いこなす最初の関門となる「関数」について、【最低限】覚えておくべき内容をCopilotに問い合わせたところ、かなり的確な回答が得られました。


Copilotいわく、新人さんが覚えておくべき必須Excel関数は10種類あり、
1. SUM(合計)
2. AVERAGE(平均)
3. IF(条件分岐)
4. VLOOKUP / XLOOKUP(検索・照合)
5. COUNT / COUNTA(カウント)
6. TEXT(文字列の整形)
7. CONCAT / TEXTJOIN(文字列の結合)
8. LEFT / RIGHT / MID(文字列抽出)
9. TRIM(余分なスペースの削除)
10. NOW / TODAY(現在の日付・時間)
とのことです。
各関数ごとに「覚えておくべき理由」も記載されていますが、その詳細は割愛します。ただし、このCopilot回答を”的確”と評するのは、他の複数のビジネス紙(誌)や就活サイトが新社会人向けにレコメンドする必須Excel関数と、ほぼ同様のメニューとなっているからです。
一例として、転職サイト「キャリハイ転職」の「【新入社員向け】入社前に覚えてほしい初心者向けExcel(エクセル)関数+表の作り方+ショートカット」という記事が、Excel入門しておくべき理由を多くあげていますので、そちらもぜひご参照ください。
“Excelができるからといって、仕事ができるとは限らないが、Excelができない奴は仕事ができないといっても過言ではない。” らしいです…。
さて、上記サイトが、資料作成のためのExcelの3機能を、わかりやすく定義していますので、引用転載いたします。
すなわち、
1.予測機能
2.データ貯蓄機能
3. アウトプット(文書作成)機能
です。
先に挙げたExcel必須10関数を、上記Excel3機能に当てはめると、以下のように分類されるでしょうか。
1.予測機能
AVERAGE(平均)
IF(条件分岐)
2.データ貯蓄機能
SUM(合計)
VLOOKUP / XLOOKUP(検索・照合)
COUNT / COUNTA(カウント)
3. アウトプット(文書作成)機能
CONCAT / TEXTJOIN(文字列の結合)
TEXT(文字列の整形)
LEFT / RIGHT / MID(文字列抽出)
TRIM(余分なスペースの削除)
NOW / TODAY(現在の日付・時間)
各関数の使い方、記法(構文/引数)については、これまでもせるワザ記事内でご紹介したことがあるものばかりなので省略しますが、合計400種以上の中から、優先して覚えるべきExcel関数として、ぜひご参照ください。
Excel関数最重要10種の中でも、特に重視すべきはIF関数
Excel初心者である新社会人が、まず覚えておくべきExcel関数10種類の内容は、分かりました。
それでは、その中からあえて、【重要度No,1】がどれか?を選ぶとすると、何が選択されるでしょうか?
業務内容・職場環境や、よく作成する書類の種類などによって見方は変わるかもしれませんが、それでも【No.1】を決めるならば、「IF関数」を最優先して使えるようにすべきでしょう。
なぜか?
それは、IFによる条件分岐が、今後作ったり、使ったりするさまざまな業務プログラムを理解する、”基本中の基本”となるからです。
IF関数自体も、データ管理や売れ筋判定、在庫管理など、さまざまな場面で活用されています。「売上が一定額を超えたらボーナス対象」、「顧客評価スコアが基準以上なら“合格”」など、IF関数を活用することで、データ分析の応用力は一気に向上します。
さらに、複数形であるSをつけるだけで複数条件による分岐に対応できるほか、前章で挙げた10の最重要Excel関数の多くも、末尾にIFをつけ加えるだけで、あらゆる条件下での計算・集計に対応できるパワフルさをかね備えるようになるのです。
SUMIF(SUMIFS),AVERAGEIF(AVERAGEIFS),COUNTIF(COUNTIFS)など…
まとめ;400種以上のExcel関数のうち、初心者が覚えるべきはまず10種類 その中でも、特にIF関数の使い方にはなれておきましょう
社会人になってはじめてExcelを使う人には、400種以上もの関数を覚えることは至難の業です。しかし、「資料作成のためのExcel3機能」を、
1.予測機能
2.データ貯蓄機能
3. アウトプット(文書作成)機能
とするなら、この3機能を引き出すために最低限覚えておくべきExcel関数の数は、わずか10種類です。その10種類の中でも、特にIF関数の使い方になれておけば、将来プログラミングの勉強をはじめる時にも役立つ、「条件分岐」の組み立て方が体得できます。
これから本格的にExcelに取り組む人は、ぜひIF関数の使いこなし術を習得するところから、勉強をはじめてみてください。



某転職サイトによれば、「もし(IF)Excelが使えないならば、仕事がデキない奴」らしいですから…





