

家計簿、つけてますか?
(あ、いや…、実はこの質問をしたワタクシ自身、つけてません…汗;)
ただ、Excelズボラ家計簿は愛用しています。
今回は、物価高に立ち向かう家計防衛術として、ズボラ家計管理の実践記録をご紹介します。
家計簿は、Excelで作る必要ありません。家計簿ソフトの自動取得に頼るのが楽ちん!
家計簿というと、「面倒くさい」、「続かない」イメージをもつ人も多いのではないでしょうか。
Web検索すると、シッカリ者の現役主婦・主夫による記述をふくめ、「ズボラ家計簿」というキーワードがずらりと並びます。それだけ皆さん、このテーマに悩んでいらっしゃるんですね。
家計簿をつけるメリットとしては、「お金を見える化できる」、「節約を意識できる」などのポイントがあげられます。
一方「家計簿を続ける目標が曖昧」だったり、「記録方法が自分にあっていない」などの理由から、数日〜数ヶ月で挫折する人が多いことも事実です。
やはり、家計簿をきちんとまとめる手間に見合う効果を実感できないと、意志の力だけで継続することは難しいですよね。それならば、”手間”を極限までゼロに近づければよいのではないでしょうか。
そのために、Excel(やGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフト)を使うことは、必須ではありません。
当サイトは、おもにExcel活用法をさまざまな角度からお伝えするシリーズですが、家計簿入力に関しては、Excelにこだわらなくてよいと考えます。
世の中には、数え切れないほどの有料・無料家計簿アプリ/オンライン・サービスがありますから、その中から選択して、使いはじめてみたらどうでしょうか?
Zaimやマネーフォワードmeのような家計簿専用アプリなら、自分の金融機関アカウント(銀行・証券・クレジットカード会社など)の取引記録を自動取得できる、表計算ソフトにはない特長があります。
しかも、これらサービスの多くは、アプリからcsvやExcel形式のデータをエクスポートできますから、データの長期保存やカスタマイズにも苦労しません。手元現金の出し入れを細かく記帳することは断念して、Webから自動取得できる情報だけを確認するのも、手間ゼロの立派な家計管理術ですよね。
それでもやっぱり、家計管理にはExcelが超便利
それでもやはり、「家計管理にはExcelが超便利」だと、本記事ではあえて力説します!!
その理由は、
1.追加費用がかからない
2.自分仕様にカスタマイズ自由自在
3.長期保存可能で、時系列データ比較が容易
の3点です。各項について、詳しく見てみましょう。
1.追加費用がかからない
家計簿アプリ/オンライン・サービスの多くは有償で運営されており、月数百円程度の支出でも、数ヶ月〜数年続ければ、それなりにまとまった金額を、運営会社へ支払うことになります。
それに対して、もし今あなたが、いずれかのバージョンのMicrosoft Excelライセンスを持っていれば、追加費用を一切負担せず、すぐに家計簿づくりをはじめられます。
2.自分仕様にカスタマイズ自由自在
家計簿アプリ/オンライン・サービスは、それ自体が「データベース・ソフト」なので、あらかじめ収入・支出費目の多くが固定されていたり、画面デザインや収支グラフの表示方法が決まっています。その操作方法になれるためには、一定時間の訓練が必要だったり、サポートセンター(があれば)へ問い合わせる手間がかかります。
一方、普段づかいのExcelワークシートに、収入・支出項目があらかじめ入力済になっていれば、あとはそれをどのように表組みしようが、どう期限を区切って、何色でグラフ表示させようが、ユーザーの思いのままに加工できます。
無味乾燥な数字の羅列を区切ったり集計して、”数字の規則性”や”トレンド”を推定する作業は、仕事でExcelを活用する人なら、よく使うテクニックですよね。それが、そのまま家計管理にも活かせるのです。
3.長期保存可能で、時系列データ比較が容易
普段気にとめていなくても、意外に重要な項目が、「期間」です。
家計簿アプリ/オンライン・サービスの中には、あらかじめデータ保存期間が規約で決まっていたり、サービスそのものが業績不振により終了となるリスクもあります。
(もちろん 将来“Microsoft Excelそのものがサービス終了”という可能性もゼロではありませんが、他の個別アプリ/Webサービスとの比較では、まだ確率が低そうな気がします。)
その時に、Excelブック形式(.xlsx)やテキスト形式(.csv/.tsvなど)でのデータ・エクスポート環境がもし提供されなかったら、それまでアプリ/Webサービスへあずけていた家計簿データは、「消滅」ということになってしまいます。
ここまでは、家計簿アプリ/オンライン・サービスとExcelとを比較した、”一般的な”Excelのメリットです。しかし、本記事では、あえてもう1項目、重要なポイントを追記させていただきます。
それは、
「Excelブック(.xlsx)は、生成AIと相性が良い」
という点です。
Excel+生成AIで家計の予算化に成功
ChatGPTなど主要生成AIサービスでは、今や標準で「添付ファイルの解析サービス」を提供しています。プロンプト(命令文)入力窓の下部にあるプラス(+)記号ですね。


Microsoft社製のCopilotはもちろん、ChatGPTも、Google Geminiも、添付ファイルとしてExcelブック形式(.xlsx)のファイルを読み込みますので、ためしに、筆者のとある1ヶ月分の家計簿を分析させてみました。


上図は、マネーフォワードmeプレミアム(有償版)のExcelエクスポートサービスを使って、金融機関情報を自動取得しただけの、”すっぴん家計簿(1ヶ月分)”のサンプルです。
今回は、あくまでもごく短期間の個人的資料を切り取り、たとえ他のプロンプト回答例に引用されてしまっても支障がない程度の見本データをAIに学習させて、平均世帯との比較をさせてみたのです。
同じプロンプトを、Copilot/Google Gemini/ChatGPTに投げかけてみましたが、以下はGoogle Geminiのプロンプト入力窓のキャプチャ画像と回答例です。




(以下、Gemini回答を部分転載)
改善すべきポイント:「現金・カード」の項目が、¥※※※※※と非常に大きく、内訳が不明瞭です。現金やカードでの支払いも、できる限り詳細な中項目に分類するように心がけましょう。何に使ったのかを記録することで、無駄な支出を発見しやすくなります。
支出全体の見直し:「食費」(¥※※※※※)、「その他」(¥※※※※※)、「教養・教育」(¥※※※※※)といった大きな支出項目について、内訳をさらに詳細に分析し、節約できる部分がないか確認しましょう。
赤字の解消:今月の家計は¥※※※※※の赤字となっています。この状態が続くと貯蓄が減少し、将来のライフプランに影響が出る可能性があります。まずは「現金・カード」の支出を明確にし、支出を抑制するための具体的な目標設定が必要です。例えば、「食費を〇%削減する」「外食を週〇回にする」など、具体的な数値目標を立ててみましょう。
ありゃりゃ、うすうす気づき、見て見ぬフリをしていたことが、Geminiからそんたくなく、ズバズバ指摘されちゃいました。要するに、家計の問題点は、「食いすぎ」と「無駄づかいしすぎ」、その結果としての「赤字」なんですね。やっぱり…!?
でも、これがなぜ「使いすぎ」だとGeminiは判定したのでしょう。その根拠についてもAIは、明確なベンチマークを示してくれます。
平均的な家庭の月間支出は以下のようなイメージです。
(総務省・民間統計を参考、家族構成などを合わせた推定値)
大項目/一般的な目安(円)
食費/90,000〜110,000
住宅/120,000〜150,000
教育費/30,000〜80,000
日用品/10,000〜20,000
通信費/15,000〜25,000
交通・自動車/20,000〜30,000
交際・娯楽/30,000〜50,000
つまり、企業会計ではごく当たり前な(しかし一般家庭会計ではあまり見比べていない)予算ー実績推移を数字で追いかければ、家計が「健全か」「不健全か」はすぐにわかる、という論法です。この考え方が実生活に即しているかどうかは、人により見方・とらえ方が変わるでしょうが、ひとまず、ごく1ヶ月分の断片的なExcelデータから、「家計見える化」の一助となるアドバイスが得られました。
「わずか1ヶ月分の断片データでここまで分かるなら、2〜3ヶ月分、いや2〜3年分のデータを放りこんでみようか!!!」いや、それはやめておきましょう。(生成AIに)あなたの秘密をペラペラ明かさない方が良いのです(by サム・アルトマン)。
まとめ:家計簿は”Excel必須”じゃありませんが、専用アプリ+Excel+生成AIの合わせワザで、家計が見える化できます
最近、家計管理のジャンルに限らず、各種Webサービスで「AIが即座に診断!」的なサービスが増えましたが、そこで各サービスがやっていることは、前章でExcelブックを生成AIに読み込ませたようなプロンプトと回答の組み合わせです。
AI時代に、Excelで家計管理ができていると、何かと便利になりそうな気がしませんか?
そして、家計管理の第一歩、「家計簿」作りの一番のハードルは入力(インプット)部分なので、そこは無理してExcel一辺倒になる必要はありません。便利な専用アプリ/Webサービスがあれば、そちらの自動取得機能などもうまく利用したらよいでしょう。



そうすることで、どんなに忙しいビジネスパーソンでも、ほぼ手間ゼロで「お金の見える化」アイディアをもらえる、”ズボラ家計管理”が簡単におこなえるようになるのです。





