

AIって、かしこいと思います?
ワタシは思いません…
すくなくとも、今はまだ「人間よりは」おバカな印象を受けます。
だって、平気でウソをつくし、どこかの広告では、ポップコーン・カップにストローをさした画像を提供して炎上していたし…
たとえば、自動車運転技術にしても、人間であれば1ヶ月くらい教習所で学んだら、もうひとり立ちできるのに、完全自動運転車の登場は2030年代?(もしくは2040年代以降、あるいは「完全自動運転」は無理かもしれない、と話す専門家もいます)。
最近話題の「AIブラウザ」というものを使いはじめてみたら、「AIって、案外おバカかも?」という印象をますます持つようになりました。
今回は、そんなAIブラウザに「仕事をさせてみた」体験談です。
AIブラウザは「情報を表示する」のではなく、タスク・サポーターとして自然言語を「理解し、判断し、行動する」ブラウザ
「AIブラウザ」の代表格としては、個人向け生成AI(Generative AI)サービスのトップ・ランナーであるOpenAIが開発した「ChatGPT Atlas」があります。2025年11月末時点では、このブラウザはまだWindowsOSには対応していませんが、Windowsでも使える同様のAIブラウザとしては、「Perplexity Comet」があります(本記事では、今回はこのPerplexity Cometを使って資料作りをしてみました)。
SafariやChromeなど従来型のWebブラウザとAIブラウザとのちがいは、Webブラウザが「情報の表示・検索」に重点を置いているのに対して、AIブラウザは、ブラウザ自身が自律的に指示内容を理解し、行動しようとする点にあります。
比較対照表を作ってみるとすると、下記のようにまとめられるでしょうか。


このように見比べてみると、元々AIブラウザとしてリリースされたChatGPT AtlasやPerplexity Cometばかりではなく、Microsoft Edge + CopilotやGoogle Chrome + Geminiのように、従来型Webブラウザでも「AIブラウザのような」役割を果たせるように変化しつつあることがわかります。このようなブラウザをうまく使いこなして、自分のタスクをできるだけ早く、正確に仕上げる能力が、今後のビジネス・パーソンに求められることになりそうですね。
Excel営業成績表を、自作とAIブラウザ作とで見比べてみましょう


ためしに、まず約100件の売上データ(ダミー/担当者名もすべて仮名です)を用意しました。このように、どの職場にもよくある売上の生データから知見を得ようとする場合、「月別」「担当者別」などの切り口から集計することになります。
分析資料を自作する場合には、おもに「小計」機能やExcel関数などを使って、目的の結果を得られるまで、集計をくりかえします。


月別集計でしたら、「グループの基準;=月」で小計すると、すぐに計算されます。これをおすすめグラフで表示すると、こんな感じ↓です。


担当者別集計でしたら、UNIQUE関数を使って担当者名の重複を排除し、SUMIF関数で、各担当者ごとの売上小計を足し算します。


これも、おすすめグラフで表示してみると、こんな感じ↓でしょうかね?


Excel慣れした担当者でしたら、ここまでの作業を10分前後でこなすと思われますが、これをAIブラウザであるPerplexity Cometに、「この売上データを基に、担当者ごとの売上合計がわかる棒グラフと、月別の売上推移がわかる折れ線グラフを新しいシートに作成して」と指示したら、このブラウザはどのような挙動をするでしょうか?
画面の動向を4倍速でキャプチャしましたので、ご覧ください。
あれ?グラフは? 作ってくれないの?
集計表の計算も誤っているしなぁ…。エージェントとしては頼りないなぁ…。




グラフについては、何度かブラウザと問答をくりかえしたら、一応それっぽいものを提示してくれました。




2025年11月時点で、AIブラウザと自然言語で問答した回答精度は、おおよそこれくらい(精度としてはけっして高くない)ようです。しかし、ここでビジネス・ユーザーは「精度が低いことをなげく」のではなく、ごく簡単な指示文だけで、これだけ必死に回答方法を考え抜き、その思考プロセスを全て教えてくれていることに、まずは注目すべきではないでしょうか?
最近では、「AIは自転車」というたとえ方をする論者もいますが(故スティーブ・ジョブズも、”コンピューターは自転車と同じで、人間の能力を劇的に増幅させる”と語ったとか?)、AIは「完全自動運転車」ではなく、人を助け、力を極限まで引き出してくれる「自転車」だと考えれば、”乗り方”、”仕事の任せ方”、”遊び方”もまた効率的になってくるのではないでしょうか?
まとめ;AIブラウザは、まだちょっとおバカかも!?けれども、仕事の効率を上げる方策をいろいろ提案してくれます
Web検索中心であったブラウザに、タスク・アシスト自動化機能を強化したAIブラウザ。いまのところはまだ、熟練したビジネス・パーソンよりは仕事の精度は高くなく、ちょっぴりおバカな回答しか返してくれないことが多々あります。
しかし「業務の自動化・効率化」という大きな課題に対して、以前だったらVBAやRAP(Power Automate)などの操作法・プログラム言語を覚えければいけなかったのに、いまは自然言語で「これやっといて」で済ませられるということは、大きな進歩ではないでしょうか?
一度で満足できる回答結果を得られなくても、AIは問答を続けてへこたれたりはしませんので、子供に自転車の乗り方を教える親のような気持ちで、AIを育ててあげてはいかがでしょうか? AIとの問答を続けていくうちに、あなた好みの優秀なブラウザに「成長」するかもしれませんよ!
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