

せるワザでは、生成AI以前から、業務効率化の一環として、非デジタル情報の楽々デジタル化テクニックについて、さまざまな解説記事をご紹介してきました。
(例) Excel→CSV→Google Calendarインポートを覚えておくと、予定表の一元管理にとっても便利(2022年4月18日初回公開記事)
しかし、読者の皆さまはもうお気づきのように、個人向け生成AIサービスの登場以降、情報デジタル化に向けた環境は、激変しました。
今どき、生成AIで何でも完全自動化しちゃえばいいじゃん!?
その点について、一番特徴的なちがいが、上記2022年せるワザ記事と、下記2025年 11月公開の「大学生のためのAI(Google Gemini)活用アイディア集」ハンドブックです。
※本論からすこし脱線しますが、大学生の子どもが持って帰ってきたこのハンドブック、大学生に限らず広く無料でWeb公開されていますから、すこし昔の大学生(おじさん、おばさん…)も目を通してみるといいですよ。


PDFダウンロードはこちら。
大学生向け「講義・レポート」を「業務資料・プレゼンシート」に、Google GeminiをCopilotやChatGPTへと読み変えてみても、「生成AIにこんなことを手伝わせることができるのか!?」というインスピレーションを受けられることでしょう。
「正しいAIの使い方」や「よりよい回答を得るためのTips」なども、Google Geminiを使う時だけに意識すべきことではありません。”AI活用リベラルアーツ”的な入門書として、是非活用してみてはいかがでしょうか?
しかしねぇ、大学生の息子よ…
世の中、こんなキラキラしたキャンパスライフのように、うまくいくことばかりじゃないんだよ。たとえばね、この↓「カメラで撮った予定表を、カレンダーに入れといて!」というプロンプト。


こりゃ、半分はホントで、半分はウソだな。
渡る世間にゃ金が要る!?
この事例のように「スクショからサクッとGoogleカレンダーへインポート」させるためには、有償のクラウド型グループウェアであるGoogle Workspaceへの契約が必要なんだ。
もちろん、キャンパスやオフィスで、ユーザー向けにこの有償プログラムが一般公開されていれば、とことん使い倒せばよい。けれども、Google Workspaceとの契約がない教育機関や、情報セキュリティ的見地から、このツールなどを「あえて使わない」オフィスもたくさんあってね。
そういうところでGoogle Geminiにこのプロンプトを投げると、どういう回答がくると思う?


「サクッと予定をカレンダーに書き込むのは無理だな」って言われるんだよ。
これは、Google GeminiとGoogle Workspaceばかりのことでなく、(ネーミングがまぎらわしいけれど)オフィスソフト・スィートであるMicrosoft 365と、有償の商用AIであるMicrosoft 365 Copilotとの関係も同様。生成AIに別のソフトウエアを直接操作する権限を持たせるためには、多くの場合、「別途有償契約」がついて回るんだ。もうすでにMicrosoft 365のサブスク契約を結んでいて、その上さらに有償契約が1つ、2つ、3つ…(怖)
こりゃ、もう食うもの食わずでAIに投資しないと、大学生活や仕事にはキャッチアップできないのか!?
いや、けっしてそんなことはありませんから…。
半自動じゃダメですか?
完全自動をめざすから、高くなるし、時間がかかるし…
生成AIチャットボット(対話型AI)誕生の時期をへて、現在は”業務代行者”としての”AIエージェント【元年】”だそうです(2025年の戦略的テクノロジ・トップトレンド by Gartner Japan)。
自然言語のごく簡単なプロンプト(命令文)をAIエージェントに投げておいたら、数分もしないうちに、自分の思い通りのレポートや資料など各種成果物をAIが自動で仕上げてくれるとしたら、そりゃありがたい話ですよね。
一方で、PoC(概念実証)死に終わるエージェントの屍(しかばね)が次々と積まれる職場もあるようです(「PoC死」を乗り越えよ――AIエージェント時代に企業が回すべき「3つのエンジン」 by ITmediaビジネス)
上記ITmedia記事では、AIエージェントがPoC死する”根本的な課題”として、
1. 想定した精度が出ない
2. 戦略の欠如
3. 推進体制の不足
4. 運用・保守の考慮不足
の4点をあげていますが、この4項目とも、別に”AIエージェント界隈”だけで聞かれる”なげき節”ではないですよね?
AIに過大な期待を寄せすぎず、「どこまでで線引きするか」の引き算的発想をもたないと、使いこなすのが難しいということなんです。
前章の「予定表→カレンダーインポート」がもっともわかりやすい事例ですが、ビジネス現場で類似するタスクとしては、「経費インポートからの自動会計仕訳」や、「コールセンター苦情収集からのテキストマイニング」などがあげられます。
このように、いままで複数のソフトウエアを使って人力で処理していた案件をAIで「完全自動化」しようとすると、いまはまだ、複数の有償サービスを組み合わせて、お金も時間もたくさんかけていく必要があります。
そのことで、たとえば「人件費が※※人月削減!」という効果が見えているのであれば、その経費の範囲内で、優秀なAIエージェントを導入したらいいでしょう。しかし極端な話、スケジュール管理のためだけに「追加経費をかけますか?」ということです。忘れなきゃいいだけなら、元の手書きでいいじゃん!
ちなみに、先ほど「サクッと予定をカレンダーに書き込むのは無理だな」って言い返してきたGoogle Geminiは、その後どう続けたと思いますか?
申し訳ありませんが、私はAIであるため、あなたのGoogleカレンダーに直接アクセスして予定を書き込む(API操作を行う)ことは権限上できません。
その代わり、**Googleカレンダーにそのままインポートできる形式(CSVファイル)**にデータを変換しました。


しかもご丁寧に、手動インポートの手順書まで、そえてくれています。
2. Googleカレンダーへのインポート手順
PCで Googleカレンダー ( https://calendar.google.com/ ) を開きます。
画面右上の歯車アイコン(設定メニュー)をクリックし、**「設定」**を選択します。
左側のメニューから**「インポート / エクスポート」**をクリックします。
**「パソコンからファイルを選択」**をクリックし、先ほど保存した google_import.csv を選択します。
**「インポート」**ボタンをクリックします。
これで、2026年1月の予定がすべてカレンダーに反映されます。
補足:
時刻が空白だった行(休業日など)は「終日イベント」として設定されます。
時刻が入っている行は、開始時刻のみ指定され、終了時刻はGoogleカレンダーのデフォルト(通常は1時間後)で登録されます。
csvファイルの保存方法や、文字化け等でうまくいかない場合はお知らせください。サポートいたします。
仮に予定表がExcelではなく手書き写真だったとしても、そこはAIにたよらずパワークエリでテーブル化すればよいのですから…


この予定表(ダミーデータです)が、サクッと【半自動で】Googleカレンダーへインポートできました。


まとめ:「AIで完全自動化」には、お金と手間がかかることもあります
「AIにまかせること」と、「自分でやること」を切り分けるのが、実はもっとも効率がいい働き方である場合もあります
冒頭の「大学生のためのAI活用アイディア集」に出てくるような、キラキラしたキャンパス生活や、生成AIがやっかいな仕事を完全自動でこなしてくれる最先端オフィス。
そんな環境に身を置いてみたい願望もありますが、やはり今はまだ何かとお金もかかるし、かえっていろいろと手間もかかりそうです。当面のAIとの向き合い方としては、「AIにまかせられること」と、「(AIにまかせず)自分で手を動かした方が効率的なこと」とを、キッチリ見きわめることが重要なようです。 ただし、この見きわめができれば、将来もう少し複雑な案件にだって”PoC死”せず、完全自動処理してくれるAIエージェントが生み出せるかもしれません。



AIとの向き合い方も、リアルなお仕事も、けっして「単なる丸投げはよくないよ!!」ということなんですね…。(自省。滝汗;)
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