Copilotプレビュー版、ついに実装されましたね〜。
Microsoft社が、ChatGPTで先行したOpenAIへ、約1.3兆円の大型出資をしたのが2023年1月のことです。
それからわずか半年ちょっとで(プレビュー版とはいえ)、一般ユーザーが普通に試せる自社製の生成AIアプリをリリースしてしまったということになります。
驚異的な開発スピードですが、それだけMicrosoftは生成AIのWindows搭載に本気だ、という強い意志のあらわれでしょう。
Copilot(コパイロット)とは?
Microsoft Adoption(マイクロソフト社の採択)という同社公式ホームページでは、まさにCopilotという英単語の直訳どおり、「Microsoft 365の副操縦士」という表現で説明をしています。
※Copilotブランドの正式呼称はまだ統一されていないようですが、今後、”Microsoft 365 Copilot”へ統一される可能性が高そうです。つまり、生成AI_Copilotは、Microsoft 365とセットで利用されることが前提、ということです。
このアプリ/サービスを使って、何ができるのかを知るには、同社が一般公開しているYouTubeイメージ動画を視聴してみるのがよいでしょう。
すごいですね〜。
Windowsパソコンのおなかに、ドラえもんの四次元ポケットがついちゃった。パソコンに向かって、
「助けて〜」と泣きべそをかくと、Windowsパソコンが「しょうがないなぁ」と言いながら、
お困りごとを全部解決してくれるのです(それじゃあ、働いている私は、のび太くんレベルということですかね…?)。
マンガで「未来のこと」として描かれていた世界が、「現在」になってしまいました。
Copilotを試してみたいと思ったら、まずはMicrosoft EdgeからBing AIチャットを使ってみましょう
この更新プログラムをダウンロード→インストールすると、タスクバーにCopilot(Pre)アイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると、右サイドバーにチャット画面が表示され、質問事項を入力できるようになります。
業務用パソコンOSがWindows11でないユーザーも、まだたくさんいらっしゃると思いますが、サイドバーの「質問」→「回答」機能は、Windows10/11標準搭載のブラウザMicrosoft Edgeで使用できる、Bingサイドバーとほぼ同一です。
また、サイドバーをインストールしていなくても、Webブラウザから、Microsoft Bing Chat公式ページへアクセスすれば、似たような回答結果が得られます。
もしあなたがCopilotに興味をもっていて、まだ使える環境にないならば、Microsoft Bing Chatで、使い方になれておくことをオススメしますよ。
「Bing」というワード自体、もしかしたら、「あぁ、Googleより検索しづらい”検索エンジン”のことですね」という、数年前(以前)の印象を持ち続けている人がいるかもしれません。
しかし、ブラウザMicrosoft EdgeとBing (Bing AI)の進化はめざましいので、数年前の感覚をもったままだと、もったいないですよ。”Bing = 検索エンジン”という思い込みは捨てて、ChatGPTと使い分ける、新しいAIツールの1つとして活用してみましょう。 ChatGPTと比較したBing AIの最大のメリットは、ChatGPT有料版(月額20ドル)で使われている高性能言語モデルGPT-4が、Bing AIではなんと【無料!!】で利用できることですから。
Copilotに、Excel消費者物価指数グラフの作り方を質問しました
そこで、ためしにWeb上でExcelブックが一般公開されている総務省統計局の消費者物価指数のデータを使って、グラフの作り方をCopilotに質問してみました。
Q. 総務省統計局のWebサイトで公開されている消費者物価指数最新値のエクセル表( URLはhttps://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040099182&fileKind=0 )を元に、近年、消費者物価が非常に上がってきていることをビジュアル化するのに適したExcelグラフを作図してください。
A.消費者物価指数の最新値のエクセル表を元に、近年の物価の変動をビジュアル化するのに適したグラフを作図することは可能です。エクセル表には、2020年基準の消費者物価指数の全国平均値が2020年1月から2023年8月までの月次で記載されています¹。
(中略)グラフは、近年の消費者物価が非常に上昇していることを示しています。特に、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は、2022年から急激に上昇し、2023年8月には前年同月比で4.3%も高くなっています¹。これは、コロナウイルス感染症の影響で供給不足や需要変動が起きたことや、原油価格や為替レートの変動などが要因として考えられます²。
エクセルでこのグラフを作図するには、以下の手順を参考にしてください。
– エクセル表をダウンロードし、開く。
– 2行目から5行目までのデータ(日付と各系列の値)を選択する。
– [挿入]タブから[折れ線グラフ]アイコンをクリックし、[折れ線グラフ]を選択する。
– グラフが作成されるので、必要に応じてタイトルや凡例などを編集する。
以上で、消費者物価指数の最新値のエクセル表を元に、近年消費者物価が非常に上がってきていることをビジュアル化するのに適したExcelグラフを作図する方法を説明しました。ご参考になれば幸いです。😊
¹: [統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)]
²: [消費者物価指数(CPI) – 統計局ホームページ]
ソース: Bing との会話 2023/9/29
(1) 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次 …. https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html.
(2) 消費者物価指数(CPI) – 統計局ホームページ. https://www.stat.go.jp/data/cpi/.
(3) 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次 …. https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html.
(4) 消費者物価指数(CPI) – 統計局ホームページ. https://www.stat.go.jp/data/cpi/.
(5) 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 東京都区部速報 …. https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-t.html.
(6) 消費者物価指数(CPI)結果 – 統計局ホームページ. https://www.stat.go.jp/data/cpi/1.html
あれ?
Microsoft社公式ページの動画のように、勝手にグラフを作ってくれるんじゃないんだ!?「作り方」を教えてくれるだけなんだ。Copilotもん(!?)は、そこまでやさしくないのね。
しかもこのロボット、平気でウソをつきます。
回答の下線部分、「エクセル表には、2020年基準の消費者物価指数の全国平均値が2020年1月から2023年8月までの月次で記載されています」とありますが、質問で指定したURLのExcelブックには、とても詳細な過去データが蓄積されており、1970年1月にまでさかのぼって、消費者物価指数(総合指数)の比較ができます。
どうやらCopilot(Bing)は、
URL: https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf のPDF資料「統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)」1ページめの表1
をカンニングペーパーとしてしまい、「エクセル表だ」と説明しているものと推定されます。
そして、同じ資料の上部、
この折れ線グラフの作り方を、日本語で解説しているものとおもわれます。
しかし、資料づくりのレシピとして、ここまでのアドバイスが得られれば、
あとは実際に手を動かすことで、仕事の目的資料を、Excelで簡単にゲットできそうな気がしますね。
※同じグラフを、見本PDF同様に、12ヶ月ごと折り返したものがこちら。
生成AIの回答精度が、現在それほど高くないことを、揚げ足取りするのは簡単です。
しかし、将来、機械学習がもっと進化すれば、本当に希望通りのExcel自動起動→グラフ生成までを、勝手にすませてくれちゃうかもしれません。 CopilotやChatGPTなどとうまく付き合うには、「できないことをなげく」よりも、「希望に近いアドバイス(レシピ)を得るために、どうするかを考える」訓練をしておいた方がよさそうですね。
まとめ
Copilotが「あなたの仕事の副操縦士」になる日は近い!BingAIチャットもうまく使って、質問力を高めましょう
せるワザでは、これまでもChatGPTをExcel業務に活用する方法について解説しました。
※くわしくは、せるワザ選書「ExcelとつかうChatGPT」もご参照ください。
ChatGPTにしても、Copilotにしても、現時点で思いどおりのアウトプットを求めることは、なかなかむずかしい場面が多いです。
しかし、精度の低さはやがて解消されることを期待して、少しでも結果イメージに近いアウトプットを引き出せるように、今のうちから質問力をみがいておくことが、ビジネス・パーソンの重要なスキルになってくるでしょう。
生成AIを使いこなす主体は、あくまでもビジネス成功を願うあなた自身!! ということですね。