Windowsユーザーなら、デジカメ/スマホ写真やスクリーンショットを加工・切り抜きするために、Snipping Toolを活用する場面が多いのではないでしょうか?
そう、あの、ハサミのアイコンで起動する画像処理ソフトです。
Snipping Tool自体は2002年ごろからWindows標準ソフトとして搭載され、何度かのバージョン・アップをへて、画像加工・編集能力が格段に上がっています。
そして、Windows 11用の最新Snipping Tool(バージョン11.2308.33.0以降)を使えば、画像に写り込んでいる文字だって、簡単にパソコン用テキストデータとして取り出せることをご存じでしたか? 今回は、Snipping Tool+Excelで、スマホ・カメラを備忘録にしてしまう手段を解説します。
Snipping Toolのテキストアクションは、OCR技術で画像中の文字をテキストデータ化する”魔法のツール!?”
バージョン11.2308.33.0以降のSnipping Toolに搭載された「テキストアクション」は、OCRで、画像からテキストデータを抽出してくれるツールです。
OCR処理されたテキスト情報は、OS内クリップボードに保存されますので、アウトプット先ソフトウエアは、Excelに限りません。
しかし、製品パッケージや各種伝票に記載された「読めそうで読めない」極小フォントの意味不明な英字、もしくは数字の羅列を、転記する必要にせまられてウンザリした経験はありませんか?
そのような面倒くささを、Snipping Toolのテキストアクション+Excelが解消してくれるのです。
ためしに、我が心の叫びを代弁してくれたような、この画像からSnipping Toolで文字を取り出してみましょうか。
「テキストアクション」OCR処理でクリップボードに保存されたテキストを、Excelワークシートに取り出してみたところ、このような結果が得られました。
「働きたくない」→「働きたくなき」!?、いつの間にか古文調に変換されていますが、それは絵文字(下図)を誤認識したものと推測され、”ご愛嬌”の域かもしれません。
それよりも、画像全体で見ればディテールとなってしまう、1枚後ろの緑のTシャツから、ごく小さな「ハゲそう」というテキストを正確にひろっているところに驚きました(人間の自然な視線では、ここまでの小さな文字に注意をはらうことは困難です)。
とはいえ、Snipping Toolは遊び道具でないので、仕事に使うとなると何がメリットだと考えられるでしょうか?
やはり、細かな文字や数字を、正確にテキスト化してくれる点ですね。
今度は、以下の体重計スリップを、テキストアクションでテキストデータ化してみます(経理処理に必須の会計レシートOCRが、ほぼ同程度の認識率と推測されるためです)。
Excelワークシートへの取り出し結果;
表としてのレイアウトはくずれましたが、文字、数字は正確に判別できたようです。
上記画像、OCR結果とも、「トップ・シークレット」としてマスキングしたところは、当然筆者が意図的に公開を控えたところです(公開してビックリさせてしまうのが本意ではないので!?)。
ただし、マスキングした部分についても(残念ながら!?)、数値そのものは寸分たがわず正確に、テキストデータ化されてしまっていたことをご報告いたします(「数値を多少オマケしてくれる」という優しさは、テキストアクションに一切ございません…)。
※ちなみに、Snipping Toolのテキストアクションでは、現在のところ、「電話番号」「電子メール・アドレス」については、事前にユーザー設定により自動マスキングする機能があります。
画像であれば、もちろんWebサイトのスクリーンショットだってテキスト抽出対象です!
前章で、スマホ画像内から文字情報をExcelへ取り出しましたが、画像であれば、もちろんパソコン上での「スクリーンショット(画面キャプチャ)」もテキストアクションの対象となります。下図をご覧ください。
このスクリーンキャプチャ画像から、商品番号をテキストデータ化した結果が下記の通りです。
ここまで正確にテキスト化されていれば、あとは必要に応じて数値の表示形式を変更し、情報を累積させたり、足し引きしたり、Excel上の制約にしたがって加工を加えられるようにできますよね。
まとめ;SnippngToolとExcelを組み合わせれば、街中のあらゆる文字情報をテキストデータとして編集できます
スマホ・カメラを「記念撮影用」ではなく、「情報メモ」代わりに使う機会が増えました。
情報メモなら、そこに記載されている内容を、各種資料へ転記・引用・加工する必要があります。その度に、キーボードから文字入力をし直すのは、面倒じゃないですか?
タイプ・ミスをすることもあるでしょう。
それならば、Windows 11の新Snipping Tool(テキストアクション)+Excelの出番です。まずはお手元のスマホ内にあるいくつかの画像を見本として、テキストアクションにかけてみてください。
仕事用メモとしての有用性を実感できるテキストデータ化の結果が、きっと得られますから。