あなたは、自分自身のスケジュール管理をどうしてますか?
手帳や、スマートフォンのカレンダーアプリなどに書き込んでいる人が多いですよね。
職場全体、あるいは部・課単位ではどうですか? 最近では、SlackやGoogle/Microsoft teamsなどを使って、予定共有をすることも多いようです。
しかし、わざわざ共有ツールを入れるほどではない少人数(数人のプロジェクト・メンバー、あるいは家族内など)で意識合わせをするためには、何が便利でしょう?
そのような時には、Excelでカレンダーを自作することをオススメします。その理由は
(1)Excelライセンスさえもっていれば、追加費用不要(有料アプリ登録をする必要もなく、サービス使用料などが一切かかりません。)
(2)チームや各家庭の特殊事情に応じて、いくらでもカスタマイズ可能
(3)必要であれば、テキスト情報以外(地図のスクリーンショットや電話番号/E-mail ハイパーリンク、スマホ写真など)を貼り込んでおくこともできる
という3点にあります。
それでは、実際に、家族の間で予定を共有するためのカレンダーのテンプレートを、Excelで作成してみましょう。サンプルは、あくまでも色々なOS/デバイス *PC/スマホ で開いて絶対に文字化けしないように、全て英語表記にしています。ただし、使用範囲が決まっていれば、全部日本語2バイト文字で作成しても、不自由なく利用できますよ。
4人家族共有用の月間カレンダー・テンプレートを作成しました
このテンプレートの作成手順は、箇条書きにすると以下の通りです。
(1) 月間カレンダーの基礎となる、年月日のシリアル値を取得し、曜日を判定します。
(2) 祝日には「Holiday!」マークをつけられるように、祝日一覧表を別シートに作成し、E列に判定関数を入れます。
(3) 条件付き書式で、土日祝日のセル色を変えます。
(4) 最後に、列幅を調整し、罫線を引いて、入力可能域以外のセルを保護して完成です。
それでは、一つずつ細かくみていきましょう。
(1)年月日のシリアル値を取得し、日付と曜日を取得
サンプルシートD2セルに年を入力、F2セルで月を1-12までのリストから選択したら、その月の1日から月末までのシリアル値を取得できるように、関数 =DATE(D2,F2,1) をB6セルに入力。B7セル以降は下へ30行、シリアル値が1ずつ追加されるようにします( B7=B6+1 以下同 )。
続いて、B列と同じシリアル値を、C列とD列にもコピーし、表示形式を変更します。
(C列には「日にち」のみを表示、D列には曜日のみを表示)
ただし、2月や月間30日しかない月は、「31日」などは非表示にする必要があるため、「日にち」の29日以降 =IF(DAY(B34)<=3,””,B34) という関数を入れます。(これは、連続するシリアル値の「日にち」にあたる部分が1-3日までの数値になってしまった場合、翌月に繰り下がってしまっているので、カレンダー上表示しないようにする関数です。)
(2)祝日一覧表作成
日本の祝日について、もっとも正確な情報は内閣府のホームページに掲示されています。これを別シートで一覧表化しておくと、VLOOKUP関数で(シリアル値を検索値とし)このカレンダーに祝日情報として呼び出すことができます。
この祝日一覧表は、内閣府発表のものをそのまま転記していますが、Excelカレンダーをカスタマイズする醍醐味は、一覧表を自分の必要に応じて、随時加筆訂正することができる点にあります。
つまり、自分だけが知っている情報、あらかじめ忘れてはいけない情報(家族の誕生日、記念日、業務であれば重要な定例会議や報告期日など)を一覧表に組み込んでおくことで、手入力忘れのウッカリミスを防止できます。
(3)土日祝日のセル色変更
シリアル値を =WEEKDAY()関数で曜日判定し、「7」(土曜日)がでたら青地青文字、「1」(日曜日)がでたら赤地赤文字、F列に「HOLIDAY!」マークが表示されたら、日曜日と同じように赤地赤文字となるように条件付き書式を設定します。
(4)テンプレート・デザインを整形、入力してはいけないセルを保護して完成
最後に、作業列としてシリアル値を入れていたB列を非表示にして、罫線を引いたり表題をつけたりしたら、自作月間カレンダーの出来上がりです。
3-4人くらい(あるいは、MAX10人くらいまで)の予定調整であれば、このA4ペラ1枚のシート横軸(列)で空き時間を確認するのが、楽だと思いませんか?
また、サンプルは文字化けしないように全て英語表記としましたが、こうすることで、iPhoneやAndroidスマートフォンのExcelビューワー・アプリで、出先からでも予定を確認することができるのです(Microsoft365有料会員なら、スマホアプリからもExcelに直接追記・編集ができます)。
まとめ
少人数でのスケジュール共有には、Excel自作カレンダーが便利。曜日や祝日管理は、関数を駆使して自動化できます。
デジタルネイティブなチームでは、Google/Microsoft teamsでの情報共有も、全く問題ないかもしれません。しかし、チーム構成員にITスキル差がある場合や、一般家庭(大人と子供が情報共有する必要あり)などの場合には、一覧性にすぐれるExcelカレンダーの自作をオススメします。
カレンダー自作のキモは日付(月末日)、曜日と祝日の管理ですが、いずれも関数や表示形式をアレンジすることで、自動化することが可能です。最初にひと手間かけてテンプレートを作ってしまえば、チーム内で「聞いてないよ〜」となるリスクを、大幅に減らすことができますね。あと気をつけておくべきことは、あなた自身の予定をフルオープンにして、ご自身が窮地に立つことがないように気をつけないと…、という点ですね。どうぞご注意ください!?