電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)

「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

前回ご説明したように、これまで電帳法に対応しなかったスモールビジネス・オーナーや個人事業主が、新たに制度へ対応する場合、ハードルのひとつに「検索機能の確保」があります。これは、電子保存した請求書や領収書などを、税務署員の求めに応じて開示できるよう、「日付」「金額」「取引先」で検索できるようにすることを指します。

そして、国税庁例示によれば、「検索機能の確保」は、下表のようなExcelシートを作ることで対応済となります。

簡単とはいえ、取引すべてをこの一覧表にまとめていくことは、手間がかかりますよね。これまで「せるワザ」シリーズでご紹介した省力化テクニックを駆使して、できるだけラクに資料作成をすませましょう。

入力をスマホですませたいならMforms

現金、PayPay支払の必要経費を、スマホとExcelでラクラク会計帳簿化」記事でもご紹介したように、手軽にExcel入力フォームを用意するなら、Microsoft Forms(Mforms)を利用するのが便利です。

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

こちらが、実際にMformsを使って「日付」「金額」「取引先」を入力するフォームを作成したものですが、予備知識がなくとも、3-5分程度で完成させることができました。

また、iPhoneやAndroidスマートフォンからもアクセス可能で、入力後は必要な項目をExcelで取り出すことができます。

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

Mformsから取り出した.xlsxファイルがこちら。

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

入力作業を、文字通り「片手間仕事」にしたいなら、Mformsを使うと、手早くすませることができます。

Excelで完結させたいなら、VBAで入力フォームを作りましょう

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

これも以前の記事でご紹介した、小口経費精算のために作ったExcel VBAの入力フォームは、項目を打ち変えるだけで、全く同じプログラムのまま、この一覧表の入力フォームとして使うことができます。

Sub electric_booking()

    Range("B4:E4").Select
    Selection.Copy

    Sheets("list").Select

   Range("A65536").End(xlUp).Offset(1, 0).PasteSpecial Paste:=xlValues

    Sheets("form").Select
    Range("B4:E4").ClearContents

End Sub

おすすめは、電子資料(保存ファイル)そのものの命名規則を変えてしまうこと

ここまでは、Excelの別表を用意して検索に備える方法でした。しかし、国税庁は「必ずExcel表を作りなさい」と指示しているわけではないのです。それほど難しくない資料作りであるとはいえ、件数が多くなれば、現物ファイルと別表の付け合わせが、手間になります。

そこでおすすめなのは、公認会計士/税理士の佐和周氏が、Web上で公開している「ファイルネームを変える方法」(※リンク記事の「(2)ファイル名の入力により検索機能を満たそうとする例」)です。つまり「日付」「金額」「取引先」が検索できれば良いだけなので、検索機能はWindows標準のエクスプローラに任せようというものです。

受け取ったままの請求書や領収書には、さまざまなファイルネームが付けられていますので、保存の時に、命名規則だけをExcel VBAでそろえましょう。

たとえば、メールソフトからダウンロードした電子資料が、バラバラの命名規則で、保存フォルダに格納されているとします。

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!

これを、それぞれ[日付_取引先+資料種類_金額.拡張子]という命名規則に変更しましょう。

20210131_霞商店請求書_110000.pdf

20210210_国税工務店注文書_330000.pdf

20210228_国税工務店領収書_330000.pdf

これなら、エクスプローラから「日付」「取引先」「金額」での検索が可能になりますね。

具体的には、Excel VBAで、

(1)保存フォルダに格納されているファイルの、バラバラなファイル名をExcelに取り込む

(2)決められた命名規則に置きかえる

という作業をおこないます。

(1)ファイル名をExcelに取り込む作業

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!
Sub Getname()

    Dim folder_path As String
    Dim Filename As String
    Dim i As Integer
    
            folder_path = Cells(1, 1) & "\"
            
            Filename = Dir(folder_path, vbNormal)
    
            i = 1
                    
                Do Until Filename = ""
    
                    Cells(i + 1, 1) = Filename
                    i = i + 1
    
                    Filename = Dir()
    
                Loop
End Sub

あらかじめ、保存フォルダへのパスが分かっていれば、

Dir(ファイルのパス名,[属性])

という構文で、フォルダ内に格納されたファイル名をExcelへ返すことができます。

(2)決められた命名規則に置き換える作業

電子帳簿保存法(電帳法)大幅改正(2)「検索機能の確保」はExcelだけでOK!
Sub Rename()

    Dim folder_path As String
    Dim j As Integer
    folder_path = Cells(1, 1) & "\"

        j = 1
            
        Do Until Cells(j + 1, 2) = ""
            
            Name folder_path & Cells(j + 1, 1) As folder_path & Cells(j + 1, 2)

        j = j + 1

        Loop

End Sub

VBAの Name (旧名) as (新名)  という構文を用いることで、ファイル名を自分で決めた命名規則に一括変換することができます。

まとめ;電帳法「検索機能の確保」には、VBAを使った命名規則の統一が効果的

以上、ビジネスで発生する電子資料(請求書、領収書など)の検索機能を確保する方法をご紹介しました。とくに3項目で解説した「ファイル命名規則を統一する方法(現在のファイル名をExcelシート上に呼び出し、旧名から新名に一括で置きかえるプログラム)」は、電帳法以外にも、ビジネスの各場面で応用できる機会が多いので、ぜひ一度使ってみましょう。

つまり、「電帳法への対応」とは、まったく新しい法規範を順守するということではなく、業務効率化の延長線上にある、システム改善の動きです。「新法下でのルール違反は、罰則が強化される」と聞くと、自社でついていけるのか、心配になるかもしれません。しかし、あまり悩まず、書類整理の方法や、保存ルールだけをしっかり決めたら、あとは安心して本業にまい進しましょう。

整理とルール決めの部分で、Excel VBAをちょっと活用すると、必要な作業時間が大幅に短縮されるかもしれませんよ。

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