


「株式投資できない人は食事を切り詰め続けて8カ月」。
私ゃ、株式投資は細々と続けておりますが、食事を切り詰め続けてはや幾年か〜(涙)
本題からはずれたなげき節はもういいや。
さて、質問です。
決算短信を活用してますか?
株式投資をする人であれば、投資先の景況判断材料の1つとして。ビジネス・パーソンなら、取引先動向や、ビジネス・チャンス(リスク)を知るための速報資料として。企業財務諸表を深く読み込まなくとも、”早く”、”大まかに”対象企業の動向を把握できる、とても便利な資料なんですよ。
(参考;決算短信って難しそう?読んで投資に活かしてみよう!三菱UFJeスマート証券「カブヨム」2024/1/22配信記事)
とはいえ、サマリーPDF1枚じゃあねぇ〜(ためいき)
東京証券取引所TDnetからは、PDF資料のほかに、目次以降のHTMLファイルや、パソコンで分析・加工しやすいXBRL (eXtensible Business Reporting Language)形式のファイルもダウンロード可能です。
このXBRLファイルをExcelブックへコンバージョンする無料ツールも一般公開されていますが、マクロつきワークシートであることと、操作に多少の慣れが必要となることから、数社程度の決算短信を読み込むだけであれば、わざわざ専用ツールを使うほどでもないかもしれません。
Microsoft 365版Excelには標準搭載されている「画像からのデータ」でOCR処理してしまってもよいでしょうし、いまやExcelワークシート右下部に鎮座(ちんざ)しているコイツ↓


をクリック→サイドパネルのCopilotに「添付PDFの決算短信資料を、Excelワークシート上で分析・加工できるように、テキスト、テーブル抽出してSheet**に書きだしてください」と指示すれば、かなり正確にデジタル・テーブル化してくれます。


PDFのExcelデータ化が完了したら、ここからいよいよ分析作業に取りかかります。
決算短信のテーブルは、基本的に横持ち(行に会計年度、列に決算数値の内容 ※売上高、営業利益、経常利益など を配した2次元テーブル)です。しかし、投資分析で、「3期連続の売上成長率」「営業利益率の推移」「複数銘柄の横並び比較」などをやろうとすると、「企業×年度×科目×金額」という、1行1レコードの縦持ち表が不可欠になります。
ピボットテーブルやXLOOKUP、フィルターなども、縦持ちデータ構造を前提に設計されているからです。
従来、横持ち表を縦持ちにかえるには(コピー&ペーストや再入力など原始的な方法をのぞけば)、Power Queryの「他の列のピボット解除」を使うのが定番でした。
しかし、最近のExcelには、より軽量な選択肢があります。それが今回ご紹介するTOCOL関数です。
TOCOL関数は、配列(指定したセル範囲)を縦1列に並べかえる関数
TOCOL関数は、配列やセル範囲を縦1列にならびかえてくれる関数で、構文は次の通りです。
=TOCOL(配列, [無視], [列でスキャン])
[無視]引数には0(すべて保持)から3(空白とエラーを無視)までの数字を指定できます。[列でスキャン]引数をTRUEにすると列単位、既定のFALSEでは行単位で値をならべます。
兄弟関数に、配列やセル範囲を横1列にならびかえてくれるTOROW関数もありますが、こちらの解説は、本記事では割愛させていただきます。
前章でCopilot in ExcelがPDFからExcelワークシートに書きうつしてくれた決算短信の主要数値(売上高、経常損失、純資産など)の下部、1セルにTOCOL関数を入力すると、スピルが働いて、2次元テーブルがあっという間に縦1列に変換されました。


縦持ち表ができると、Excelで分析の幅が一気に広がります。
たとえば「複数銘柄のデータをVSTACK関数で縦づみし、全社統一の業績データベースを作る」とか、「再度ピボットテーブルで年度×科目の推移を集計しなおす」とか。「スライサーを使って、セグメント別・四半期別にドリルダウン」などというようなデータ細分化も、縦持ちデータであれば、ラクに操作できてしまいます。
決算短信は業績予想も掲載されるため、「予想進捗率=四半期累計実績÷通期予想」を期ごとに追跡し、業績の伸び悩みを早めにチェック!、というような分析も可能ですね。
2次元テーブルの縦1列化で決算短信分析以外にも、さまざまな業務資料づくりを一気に効率化!
ここまで、株式上場企業の決算短信を例に、TOCOL関数活用事例を見てきました。しかし、この関数は別に投資活動にかぎらず、ビジネス現場における次のようなケースなどにも応用可能ではないでしょうか?
1.複数店舗や部門別売上実績の一括データ化
横軸に月、縦軸に店舗名がならんだクロス集計表があるとしましょう。これを、TOCOL関数で売上数値のみ縦1列に変換して、ピボットテーブルやPower BIでの分析用「データベース(ローデータ)形式」へ即座に組みかえる運用に活用できます。
2.複数担当者の出社スケジュールや予定表の集約
担当者ごとに列の分かれた週間予定表(複数行・複数列)を集約します。TOCOL関数([無視]引数で空白セルを除外)を使って、全担当者の予定表を縦1列リストにし、全体スケジュールと照合することで、モレや重複チェックに役立てることができます。
3.アンケート・製品評価の複数選択回答データの正規化
回答者ごとに「選択肢1」「選択肢2」「選択肢3」と横に回答がのびているアンケート結果を縦1列に展開し、UNIQUE関数やCOUNTIF関数と組みあわせることで、回答ごとの出現頻度や、ランキングなどを算出可能です。
まとめ:投資でも、ビジネスでも、TOCOL関数の活用でデータ分析を効率化しましょう!!
以上、まずはTDnetに無料一般公開されている決算短信のPDFデータ活用を例として、ExcelのTOCOL関数によるデータ成形テクニックを解説しました。
投資やビジネスにおいて「決算」はとても重要な業績評価基準ですが、PDFから抽出した2次元(横持ち)テーブルのままでは、Excelの分析機能を十分に活かせません。
TOCOL関数を使えば、複雑なPower Queryにたよらなくても、データを一瞬で「縦持ち」の1列に変換できます。これにより、ピボットテーブル等を用いた高度な比較や、推移分析がスムーズになります。
この手法は決算分析にかぎらず、店舗別売上表や予定表の集約、アンケートの正規化など、あらゆるビジネス現場での2次元データ整理に応用が可能です。



Copilotの抽出機能と、TOCOL関数をセットで活用して、データ整形にかかる時間を大幅に削減し、より本質的な分析作業にもっと注力しましょう!
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